最短撮影距離
カメラ用交換レンズには「最短撮影距離」という値があります。
最短の撮影距離ということで、文字通り撮影する際に「カメラが被写体にどこまで近づけるか」を数値化したものです。
最短撮影距離より近づいて撮影するとどうなるかというと、被写体がピンボケになってしまいます。
ですから、花や模型など小さな被写体に近づいて撮影する際は、この「最短撮影距離」が重要となってくるのです。
最短撮影距離はレンズによって違う
最短撮影距離はレンズ(製品)によって違います。
同じ焦点距離であっても、製品ごとに最短撮影距離はまちまちです。
単レンズの場合、最短撮影距離は固定されていますが、ズームレンズの場合、焦点距離によって最短撮影距離が変わるものもあります。
【NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの最短撮影距離】
最短撮影距離 | 0.25m(焦点距離16mm) 0.2m(焦点距離24mm) 0.23m(焦点距離35mm) 0.3m(焦点距離50mm) |
製品毎、焦点距離毎に変わるものと覚えておいてください。
最短撮影距離が短いレンズ
最短撮影距離が短いと、被写体に近づいて撮影(接写)できます。
特に近づいて撮影することを得意とするのがマクロレンズです。
マクロレンズは最短撮影距離が短く、被写体に近づいてもピントが合うような設計になっています。
その分マニュアルフォーカス専用であったり、ピント動作が異常に遅かったりしますので、動きの速い被写体や風景の撮影には向かないかもしれません。
製品によっては無限遠の描写が甘い事もありますので、本気で接写をしたい人向けといえます。
ちょっとお手軽に接写を楽しみたい人向けにハーフマクロレンズというものもあります。
マクロレンズが1:1(1倍)の倍率に対し、ハーフマクロレンズは0.5:1(0.5倍)となっています。
マクロレンズに比べて、普段使いもしやすいですし、手軽にマクロ撮影が楽しめます。
主に焦点距離50mm前後のマクロレンズが多いのですが、ズームレンズに付属している製品もあります。
【AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF】
最短撮影距離 | 0.5m[0.21m:85mmマクロ時] |
最大撮影倍率 | 0.06~0.17倍(通常時:24mm~85mm) 0.27~0.50倍(マクロ時:35mm~85mm) |
小さなものを撮影する際の重要な値
小さなものを撮影する際、被写体に近づくことはよくあります。
最短撮影距離は、小さな被写体に近づいて撮影する際に重要になる値です。
どれだけ高価なレンズでも、最短撮影距離より近づいて撮影することは出来ません。
無理に撮影しても、ピンボケの写真となってしまうのです。
その時になって慌てないよう、自身が使っているカメラ用レンズを確認しましょう。
そして、どれだけ近づいて撮影できるか把握しておくことが重要です。
複数レンズを所有している人なら、レンズ毎の違いを記録しておくと良いです。
「今日は被写体に近づいて撮影することが多い」という場合であれば、必然的にレンズの選択は最短撮影距離が短いものになるのです。
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