露出オーバー
デジタル一眼カメラやスマホで撮影をした際に、写真が明るすぎたり暗すぎたりする場合があります。
全体的に白っぽくなってしまったり、夜景がほとんど写っていなかったりするような場合ですね。
白っぽくなる(明るすぎる)場合を露出オーバー、ほとんど写っていない(暗すぎる)場合を露出アンダーと呼びます。
意図してこういった表現をする場合もありますが、多くの場合はカメラの露出設定間違いによる失敗です。
例のように、極端な明るさで写してしまえば補正は難しいでしょう。
しかし、状況によっては撮影後に補正が利いたりします。
露出オーバーを補正してみる
露出オーバーは露出が過度な場合に発生するほか、同じ構図に極端に明るいものと極端に暗いものがあるような場合にも発生します。
例えば曇天や雨天時のステンレスやメッキの反射。
どちらの場合も、被写体に比べて空が明るく白っぽいため空と同化してしまいます。
露出をカメラ任せにしてしまうと、こういった事はよくあります。
その場で気が付いてカメラ側で補正すればいいのですが、確認するのは小さな液晶ですし、たくさん撮っていると気が付かないことも多いです。
このコマだけなら良いのですが、100枚以上撮影したものがすべて同じ状態ですとショックですね。
しかし、これぐらいの露出オーバーでしたら撮影後の補正は可能だったりします。
露出補正にはRAWが良い
露出補正する際にはRAWデータの方が良いです。
jpgでも出来ない事はないのですが、露出の補正は圧倒的にやりやすいです。
これは覚えておきましょう。
では、先ほどの写真を露出補正してみます。
RAWデータは現像ソフトで露出補正を行います。
現像ソフトは各メーカーから出ていますので、ダウンロードして使ってください。
サンプルデータは、ニコンのデジタルカメラで撮影しましたので、NikonNX-Studio(フリーソフト)を使用します。
分かりやすいように、全く同じ写真データを使用しました。
まずは、露出補正の値を-1.5にします。
はい、完了です。
プロテクと空の境界もしっかり出ていますし、全体的に白っぽいのも改善されました。
操作はたったこれだけなんですよ。
RAWデータの便利さ分かっていただけますか?
jpgでもやってみる
じゃあってことで、jpg(jpeg)で同じことをやってみましょう。
jpgはデジタル一眼カメラをはじめ、スマホなどにも採用されている画像フォーマットですね。
ファイル容量が小さく、汎用性はありますが、劣化しやすかったり、露出の変更が出来ないという欠点があります。
まずはjpgで明るさを落としてみましょう。
画像編集は同じくNikonNX-Studioを使用します。
明るさを調節し、先ほどの写真より暗くしましたが、プロテクと空の境界線が見えません。
空も一緒に暗くなってしまいました。
では、トーンカーブをS字にして、ハイライトとシャドーをめいっぱい上げてみましょう。
先ほどより色の嫌みが消えましたが、やはりプロテクの同化は改善できません。
このほか色々と調整してみましたが、いい結果は出ませんでした。
あれこれ小細工するより、RAWで撮影したものを露出補正した方が早いということです。
ファイル容量が大きくなるのが欠点
こんなにも便利なRAWですが、欠点はファイル容量が大きくなることです。
同じ画素数で撮影すると、2~4倍の容量が必要です。
1枚の記録メディア(SDカード等)で、jpgなら200枚撮影できるとしたら、RAWデータにすると50~100枚ぐらいしか撮影できないということです。
ですから、今持っているよりも大きな記録メディアを買う必要が出てくるかもしれません。
ただ、記録メディアの価格は下がっているのでそれほど痛い出費ではないでしょう。
後で泣きを見ないように
撮影会や旅行から帰って写真データを確認すると、露出の失敗というのはあるものです。
失敗したからといって、もう一度撮るために戻るわけにはいきません。
ですから、撮影時はjpgよりRAWの方が良いです。
確かに、RAWで全て撮影すると、今の記録メディアには入りきらないかもしれません。
しかし、交通費等を考えると一度の旅行、数千円の記録メディアは必要経費と考えます。
コメント