会社を辞めるという事
国税庁の統計調査によると、令和2年の時点での平均勤続年数は12.4年となっています。
平成元年が11.3年ですから若干伸びているといえます。
とはいえ、多くの人が一生に一度は転職や退職を経験していることになります。
会社を辞めるという事は、わりと身近な出来事であると言えます。
辞める理由は十人十色
会社を辞める理由は人それぞれです。
大まかには会社都合と自己都合に分かれます。
会社都合
会社統合、解雇、倒産、早期退職応募などが該当します。
自己都合
転職、寿退社、家庭の都合、身体的な都合などが該当します。
他にも自然退職というものがありますが、あまり関係はないですね。
辞める理由は人それぞれあると思いますが、双方の違いで一番大きいのは失業保険の給付条件です。
会社都合の方が失業保険は沢山もらえる確率が上がるのですが、会社側も会社都合にしたくないので、大抵の場合は自己都合とされます。
よほど明確な理由がない限り自己都合となると思った方が良いでしょう。
会社を辞める前にやっておくべき2つの事
会社を辞める場合、まずは直属の上司に辞める旨を伝えます。
直属の上司がいない場合はその上か、人事部。
小さな会社の場合は、直接社長に伝えることもあります。
このあたりは勤め先によって違いますので、正規のルートで会社側に伝えるようにだけ心がけてください。
退職する旨を伝えると、仕事の変更や部所の変更、待遇の改善など、いわゆる「引き止め」のような提案が行われることがありますが、それと同時に退職に向けて会社が動き出します。
ひとことで言うと、扱いが雑になります。
ですから退職を申し出る前に必ずやっておくことがあります。
会社が動き出してからでは遅いので、必ず会社側に意思表示する前に行ってください。
会社を辞める前にやっておくべき事 その1 退職後のライフプラン
会社を辞める意思表示をする前にやっておくべき事の1つ目は、退職後のライフプランを決める事です。
これは、年齢や家族構成、家庭の事情によっても違います。
引き続き別の職場で仕事をする場合は転職先を決めておく必要がありますし、家業を引き継いだり起業する場合は段取りをしておく必要があります。
また、早期リタイアする場合でも収支の見込みは立てておく必要があります。
どのような生活を送るにしてもライフプランは確実に決めておく必要があります。
転職する場合、有効求人倍率が低い時期ですと、求人もまともなものがありません。
「隣の芝は青く見える」と言いますが、まさにその通りで本当に転職して良いか厳しい目での見極めも重要です。
会社を辞める前にやっておくべき事 その2 社員服務規程の読破
会社を辞める意思表示をする前にやっておくべき事の2つ目は、社員服務規程をよく読んでおくという事です。
会社も組織である限りルールが存在します。
「俺がルールだー!」というようなワンマン社長の会社は置いておいて・・・、大抵の会社には社員服務規定が存在します。
これは労働基準法をベースに作られており、法に矛盾しない範囲でルールが事細かく書かれています。
退職者にとって有利になる事、不利になる事も書かれていますので必ず読んでください。
特に退職と年休(有給休暇)のルールに関しては必読です。
読んで分からない場合は人事部等に問合せしましょう。
例えばこんなのがありました。
有給休暇の繰り越し上限は20日間です。
有給休暇には2年の時効があり、20日間以上の有給休暇が余っていたとしても2年経った日数分は消えてしまいます。
ですから、有休休暇がフルに余っていても40日間しか取れないんですね。
ところが、自身が勤めていた会社では+5日の特別有給休暇が付与され、これが最大10年繰り越しできます。
ということは、40日+5日×10年で90日取得出来る計算になります。
(勤続年数11年以上の場合)
月の出勤日が22日前後でしたので、4ヶ月ちょっと有給休暇で休めてしまうのです。
これは大きいです。
ただ、このルールは社員服務規程を読み込まないと理解できません。
多くの社員はこの事実を知らずに辞めていきます。
ですから、社員服務規程を読まずに会社の言いなりになっていると、自分が持っている権利を逃すことになります。
本当に勿体ないですね。
辞める機会はあると思っておいた方が良い
今の時代、終身雇用は無いといえます。
ですから、多くの人に「退職する」という機会が訪れます。
それは自己都合だけではなく、会社都合で起こることも少なくはありません。
いざその時になって慌てないようにしましょう。
会社の売り上げが落ちてきたり、赤字になったら解雇や早期退職もあるでしょう。
また、家庭の事情や人間関係、業務の苛烈さに耐えられず辞めるという選択を取ることも考えられます。
常にアンテナを張ることが重要だと考えます。
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