NikonZ8はノイズが多い?
2023年5月26日にニコンから発売されたミラーレス一眼カメラZ8。
同社のZ9とZ7シリーズと同程度、4,571万画素という大きな画素数が魅力のひとつです。
ただ、画素数が多くなれば問題となってくるのがデジタルノイズ。
Z8に搭載されている積層型CMOSはデータの読み書きを高速で行える反面、デジタルノイズが出やすいとされています。
では、Z8のデジタルノイズはどの程度のものなのか?
同社の普及機であるZ6Ⅱと比較してみましょう。
Z8のデジタルノイズ発生状況
まずは、NikonZ8とZ6Ⅱの主な違いについて確認しておきましょう。
Z8 | Z6Ⅱ | |
---|---|---|
フォーマット | フルサイズ | フルサイズ |
イメージセンサー タイプ | 積層型CMOS | 裏面照射型CMOS |
有効画素数 | 4571万画素 | 2450万画素 |
大きな違いは、画素数とイメージセンサータイプです。
これが写りにどう影響するのか見てみることにします。
ISO100 (左:Z8 右:Z6Ⅱ)
左がZ8、右がZ6Ⅱでの撮影です。
グレー色の紙を撮影。
ノイズ低減は全てOFFです。
中央部分をトリミングしてるのでほぼ原寸出しです。
酷いノイズとは言いませんが、ISO100の時点でZ8の荒れが目立ちますね。
ISO400
ISO400ではISO100とほぼ同じ結果です。
この辺りでは、通常使いしていても差は感じられないでしょう。
ISO 1600
ISO1600になると、若干デジタルノイズが目立つようになりました。
とはいえISO100と比較して極端に目立つようなことはありません。
ISO 3200
ISO3200での描写です。
Z6Ⅱは若干のカラーノイズ増加、Z8は随分画像が荒れてきました。
「高画素に弱い」というのを示すデータです。
ISO 6400
ISO6400での描写。
Z8はノイズでザラザラになってしまいました。
Z6Ⅱについても随分とノイズが増えたので、そのままでは厳しいかもしれません。
ISO 12800
ISO12800での描写。
Z8については、かなりノイズが目立つ結果。
Z6Ⅱも厳しいでしょう。
どちらも撮影には向かない感度といえます。
次に長秒ノイズについて確認しましょう。
まずはシャッター速度1秒から。
シャッター速度 1s
こちらが基準となります。
シャッター速度 10s
シャッター速度 20s
Z8については露出時間が長くなると、長秒ノイズが目立つようになりました。
Z6Ⅱについてはほぼ変わらず。
あくまでグレー色の紙を撮影していますので、被写体によってはこれよりノイズが目立つかもしれません。
デジタルノイズ対策
画素数は大きくて高性能だけど、デジタルノイズが多いZ8。
では、デジタルノイズの影響を出来る限り抑えるにはどうすればいいのでしょうか。
いくつか例を挙げておきます。
カメラのノイズ低減機能を使う
Z8にはノイズ低減機能が付いています。
「高感度ノイズ低減」と
「長秒ノイズ低減」です。
こちらの設定をしておくと高感度ノイズと長秒ノイズを低減させることが可能です。
画像アプリケーションのノイズリダクション機能を使う
撮影後にノイズが気になる場合は、画像アプリケーションのノイズリダクション機能を使うのも一つの方法です。
効果はアプリケーションによって違いますが、ボディ側で行うより細かい調整が出来るものが多いです。
明るいレンズを使う
高感度ノイズ、長秒ノイズの原因として「露出が不足する」といったことがあります。
こういった場合は、少しでも露出を稼ぐため明るいレンズを使用して開放で撮影するといった方法が考えられます。
明るいレンズ=開放f値が小さいレンズ
三脚を使う
「明るいレンズを使う」同様、露出を稼ぐ方法として三脚で固定し、スローシャッターで撮影するというものがあります。
シャッター速度を遅くすることにより、ISO感度を低く設定することが出来るのです。
ただ、これは高感度ノイズ低減に対する対策であって、長秒ノイズ低減には使えません。
それほどシビアに考える?
デジタルノイズが多い印象のZ8ですが、個人的にはそれほど気にすることは無いと考えます。
確かに同じサイズで画像を比較すると、ノイズは目立ちます。
ただ、これは用途によって影響は違うと思います。
Z8は画素数が大きいので、縮小してしまうと想像しているほどノイズは目立ちません。
変に意識するよりは、たくさん撮って傾向を掴むことをお薦めします。
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