NikonZ8はZ9をコンパクトにした仕様のミラーレス一眼カメラです。
外観上の特徴といえば、いわゆる”縦位置グリップ部”が無いというところ。
ただ、Z8においても縦位置での快適な撮影を行いたい場面もあります。
そんな時に便利なのが「パワーバッテリーパック MB-N12」。
その特徴とは・・・
Nikon パワーバッテリーパック MB-N12
パワーバッテリーパック MB-N12はNikonZ8専用のバッテリーパックです。
電池の寿命を約1.8倍に延ばし、縦位置撮影時の操作性を向上させるほか、ホットスワップ、USB給電といった機能も備えています。
今回はそんなMB-N12の機能や使い勝手など、実機を踏まえてレビューしてみましょう。
縦位置で操作できます
Z8にMB-N12を装着することにより、縦位置での操作が可能です。
これは縦構図を多用する撮影者にはありがたい機能です。
また、重くて長いレンズを装着して縦位置に構えると、右の脇が締まらないため不安定になりがちです。
こういった場合、縦位置で操作できることによる安定性は大きく違います。
主な操作可能項目は以下のとおりです。
・シャッターボタン
・AF-ONボタン
・Fnボタン
・メイン・サブコマンドダイヤル
・マルチセレクター
バッテリーが2個装填できますが・・・
MB-N12はLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15cを最大2個装填できます。
これにより、静止画の撮影コマ数や動画の撮影可能時間を拡張できます。
バッテリーが交換できないような条件では大きな力を発揮すると考えます。
また、EN-EL15cの代わりにEN-EL15bやEN-EL15aの使用も可能です。
ただし、EN-EL15aはEH-7PおよびEH-8Pを使用したUSB充電には対応していません。
公式サイトでの商品紹介にはありませんが、自宅にあったEN-EL15を使用しての撮影は可能でした。
この点に関してはNikonは触れていませんので動作保証の対象外といえるでしょう。
バッテリーは1個だけでも動作可能です
MB-N12にはバッテリーを2個装填可能ですが、動作だけならバッテリー1個だけでも可能です。
また、バッテリーは横から抜き差しできる形状となっています。
バッテリーを1個交換する際は、バッテリー庫カバーを開けて横からバッテリーを装填します。
バッテリーを2個交換する場合はMB-N12のバッテリーホルダーを引き出し、バッテリーの装填を行います。
このあたりの構造は、同社のDシリーズ用バッテリーパックと比較すると大きく改善されました。
Z8がZ9より大きくなってしまいます
MB-N12は底面からボディ装着面までが52mmほどあるため、Z8に装着するとかなり背が高くなってしまいます。
これによりカメラバッグでのおさまりも悪く、製品によっては高さオーバーとなるかもしれません。
コンパクトさをウリにしているZ8として、この点は不本意なところ。
「普段はあくまでもZ8ボディ単体で撮影し、必要に応じてMB-N12を装着する」
といったスタイルになるでしょう。
縦構図を多用するフォトグラファーなら最初からZ9を選ぶ方が良い。
カメラバッグへのおさまりは正直微妙
MB-N12の接点はボディのバッテリー庫内にあります。
ですから潜望鏡のようにバッテリーパックからの立ち上がりができてしまいます。
MB-N12をボディに取り付けたままですとそれほど気にならないのですが、単体でカメラバッグ等に収納する際はおさまりが悪いです。
この点については、立ち上がりが無かったDシリーズのバッテリーパックの方が良い。
ただ、そういった形状にしようとするとボディ底面に接点が必要となるので設計上無理があるのかな?
参考までにミラーレスのZシリーズは全て立ち上がりがあるので単純に寸法だけの話ではないのかもしれません。
取付けたままにする製品では無いと考える
「Z9をコンパクトにした」といった売り文句もあったZ8。
しかしMB-N12を取付けるとZ9より大きくなってしまう何とも言えない不具合。
ですから、縦位置撮影やバッテリーの持ちを考慮するならZ9という選択肢になります。
コンパクトさをウリにしたZ8ですので、普段はボディ単体で使用し、必要に応じてMB-N12を装着するといった使い方が良いと考えます。
【MB-N12が必要となるのはこんな人!】
・縦構図での撮影が多い
・超望遠レンズなど、重く長いレンズを使っている
・バッテリーが交換できないような条件での撮影
・カメラを大きく見せるのが好き
なお、多くの人が指摘した、
「ボディと面が揃わない」
というデザイン上の欠点は、個人的にはそれほど気になりませんでした。
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