家電、パソコンなど電子機器には動作上の相性というものがあります。
相性が悪いと上手く動作しません。
アダプターやコネクター形状は合っているのに信号が上手く伝わらなくて正常に動作しないということはよくあります。
それはカメラにもいえることで取り付けは可能なのに、動作に不具合が出るということは珍しくありません。
特に新旧の規格が混ざるとその傾向は強いと感じます。
そんな新旧規格混在による不具合の例を紹介します。
Nikon FTZ
Nikon FTZはNikonのミラーレス一眼カメラZシリーズのボディに、同社の規格であるFマウントレンズを取付ける為のマウントアダプターです。
2023年現在、Zマウントのレンズはまだ選択肢が少ない状態です。
そんな中、歴史も長く選択肢も多いFマウントレンズが使えるのは心強いです。
そんなFマウントレンズが使えるFTZですが適合しないレンズもいくつかあります。
FTZの動作環境として、Nikonが公表しているものを確認してみましょう。
FTZが使用できないレンズ
FTZが使用できないレンズは製品の取扱説明書で確認できます。
具体的にはAI改造していないレンズや、XIニッコール、古いフィッシュアイなどが挙げられます。
詳細は取扱説明書にてご確認ください。
更に非CPUレンズや一部のレンズについてはボディとレンズの情報交換が出来ない為、露出モードの制限が出てきます。
分かりやすいのとしてはレンズ側に電子接点が付いていないものがありますね。
こういったレンズを使う場合、露出モードはマニュアル(M)や絞り優先(A)とする必要があります。
他のレンズは大丈夫?
では、取扱説明書にも明記されたおらず、且つ電子接点が付いたレンズは全て使えるかというと正直微妙です。
特に社外レンズに関しては製造元も適合性を把握しておりません。
いくつかのレンズを試した結果、自宅にあるレンズでも1本だけ不具合の出るレンズがありましたので紹介します。
SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical IF
今回、不具合が確認できたのはSAMYANG 35mm F1.4 Aspherical IF。
韓国SAMYANG社の大口径レンズです。
焦点距離は35mmでマニュアルフォーカスですが、電子接点が付いておりボディ側と情報のやり取りが可能です。
Dシリーズのボディでは全く問題が無かったのですが、ZシリーズのボディにFTZを経由して取り付けると絞りのコントロールが効かなくなることがあります。
これが困りもの。
露出をマニュアル(M)や絞り優先(A)で使う際、ボディ側のダイヤルで絞りの値を決めるのですが、動かなくなったり突然開放になるので仕上がりに影響します。
特に夜景は低感度、絞り込み、スローシャッターで撮影することが多いので、絞りがいうことを聞かないと露出が大きく狂う結果に。
これが常に起こるかというと、そういうわけでもありません。
ただ、一度起こるとしばらく直らないため撮影に支障をきたします。
【やっても効果が無かったこと】
・電源の入れ直し
・レンズの脱着
・露出モードの変更
・レンズ絞りリングの再設定
正直、こうなったらお手上げです。
カメラの機嫌が直るまで待ちましょう。
個体不具合の可能性も
この症状ですが個体不具合の可能性もあります。
というのも、症状が常に起こるわけでは無いという事です。
同レンズに関する不具合もネット上ではあまり見かけません。
製品上の問題と考えるは時期尚早。
ただ、ボディ側とレンズ側でメーカーが違うため、この件に関する原因調査は難しいでしょう。
このあたりが海外メーカーのリスクといえるかもしれません。
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