FIRE
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的自由を達成し早期退職することを意味します。
昭和の時代、中心になった仕事への考え方は、60歳定年まで仕事をし、その後は貯金と老齢年金で暮らすというものです。
しかし、現在は年金で暮らすことはおろか、年金保険額を取り戻すことも怪しい状況です。
こんな時代ですから個人で資産形成し、将来に備えようという人も少なくありません。
その考えがもっと進むと、資産形成を若いうちにしてしまい、残りの人生を買うという生き方が出てきます。
これこそがFIREの考え方なのです。
FIREを達成するには
「FIREを達成するにはいくら必要でしょうか?」
これは良く聞かれる質問です。
一般的に1人あたり1億円あればいいと言われていますが、これは様々な説あります。
一概に「いくら」と決められないのは、個々に事情が違うためです。
都心で物価が高い場所に住んでいるなら沢山必要ですし、物価が安い場所に住んでいるなら少なくて済みます。
FIREにいくら必要かを試算するなら、まず「生活コスト」の把握が必要です。
資産運用で有名な言葉に「資産4%ルール」というものがあります。
考え方はこうです。
まず、年間の生活コスト×25年分を投資資産に回しましょう。
そして、その投資資産を年率4%を目指して運用しましょう。
この2つを実践すると、今まで通り生活していても資産は減らないどころか逆に増えていくという研究もあります。
生活コスト < 資産増分
これが成立しているのですね。
もちろん、これは生活コストが分からないと成立しません。
ということで、投資する前にすることは生活コストの把握だといえます。
FIREはハードルが高い
さて、FIRE達成の為にするべき事は分かるのですが、気になった点があるかと思います。
その一つが、「年間の生活コスト×25年分」というところ。
年間の生活コストが、300万円なら7,500万円。
200万円(16~17万円/月)でも5,000万円です。
「そんなに貯められないよ!」
ってなりますね。
当然だと思います。
20歳から働き始めて、40歳までにFIREを達成しようと思えば、20年で7,500万円。
毎年375万円も貯金する必要があるからです。
ものすごくハードルが高いですね。
これがFIREの難しさを表しているのです。
セミFIREという考え方
毎年375万円貯めても20年かかる・・・。
FIREは非常にハードルが高いことが分かりました。
ただ、一度にFIREを目指さないという考え方も存在します。
それが「セミFIRE」
文字通り、FIREの廉価版です。
FIREが完全にリタイアするのに対し、セミFIREは部分的にリタイアするというものです。
ですから、FIREのように投資資産で生活コストをまかなう必要はありません。
生活コストの一部を投資資産でまかなうという感じです。
生活コストが15万円なら、そのうち2万円を投資資産から拠出するといった具合ですね。
毎月2万円なら年間24万円なので、4%ルールから逆算すると600万円の金融資産が必要です。
7,500万円に比べて、グンとハードルが下がったように思えませんか?
「たかが2万円」と侮ってはいけません。
同じ仕事をし続けていて毎月2万円給料を上げるのは大変です。
さらに、このお金はただ資産を預けているだけで入ってくるのです。
不労所得ってやつですね。
深夜まで残業したり、副業でアルバイトをする必要がありません。
ですから、時間コストは格安なのです。
また、投資収入は仕事の選択肢を増やしてくれます。
「やりたい仕事があるけど給与面で不安」とか、「今の仕事は時間拘束が長すぎるので辞めたい」といった場合でも、転職の選択肢が増えます。
今より給料が2万円安くなっても成り立つという事ですから。
これは、働く人には大きいです。
例は2万円で試算していますが、
これが5万円なら?
10万円なら?
いかがでしょうか?
不労所得で10万円もあれば、週2ぐらいでアルバイトをしてもやっていけるかもしれませんね。
週休5日で好きなことをする事が出来るのは大きいです。
このように、セミFIREの考え方は人生の選択肢を増やしてくれるのです。
FIREは遠くても、セミFIREは手の届く範囲にあります。
手を伸ばすかどうかはアナタ次第という事ですね。
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