炎天下に駐車した車が暑いのをなんとかして・・・。
夏の車内はとても暑い
炎天下に車を駐車すると、異常に暑くなります。
ドアを開けたときの、モワッとした感じが暑さを助長します。
これは、どんな車でもほぼ同じです。
出来ることといえば、せいぜい窓を少し開けておくことぐらい。
でも、虫や埃が入ったり、防犯上あまり良くなかったりするうえに、それほど効果はありません。
自宅にあるアルファード30系に換気扇
アルファード30系は2015年に登場してから、好調な売れ行きを記録しています。
価格幅が広く、アフターパーツも多いので、ファミリー層から公用車まで幅広く支持されています。
ただ、ミニバンというカテゴリーに含まれますので、サブバッテリーや換気扇システムなど、キャンパー向けの商品はほとんどありません。
無いなら作ってしまおう。
という事で、今回はアルファード30系に付けられる換気扇を作ってみました。
換気扇の固定方法を考える
取り付ける場所が無いのだが。
基本的に車は換気扇を取付けるようには出来ていません。
ですから、作業としては
「どのように取り付けるか?」からスタートします。
まず思いつくのは、既存の開口に取付ベースを作りそこに組み込む方法です。
更に、防犯上車の鍵は閉められるようにしなくてはなりません。
アルファードの開口は基本5つです。
前席の窓2枚、後席の窓2枚、リアゲート。
リアゲートは開放出来ませんので、候補は前席の窓か後席の窓となります。
前席の窓については、曲線デザインとなっておりますので、取付ベースを作るのは難しいでしょう。
となると、残りの候補は後席の窓です。
アルファード30系の後席窓は、側面から見ると5角形です。
窓のうち上部20cmほど開けると四角形に見えます。
この開口に合うような換気扇取付ベースを考えます。
後席ガラスも難易度は高い
換気扇の取付ベースは、金属など硬い素材の方が良いです。
素材の強度があれば、ある程度重量がある換気扇を取付けても、換気扇の振動や風、重力での落下を防げます。
また、太陽光を受けた際の変形にも強いです。
ただ、取付けベースを硬い材料で作ると、加工が難しくなります。
ですから、取付けベースの形状は加工がしやすいよう極力シンプルな方が良いのです。
そんな理由から、横長であれ四角形に見える開口デザインは、換気扇取付けベースを作るのに適していると考えました。
ところが、ここで思わぬ問題が!
後席の窓を開けた際、外から見ると長方形ですが、内側のトリムが曲線であるため、内から見ると緩やかなカーブを描いているのです。
これは想定外。
再度、取り付ける方法を考えなおします。
たまたまあった6か所目の開口
何とかトリムより外側で、換気扇の取付けベースが収まる方法を探します。
ネット上で多かったのが、プラ段ボールを使ってベースを作るというものでした。
ただ、これは強度や防犯上の問題が発生します。
試行錯誤してたどり着いた第6の開口。
ムーンルーフ。
開口としても申し分ない大きさ。
そして、暑い空気は上に溜まりやすいという事で、暑い空気を抜くのにも適しています。
ということで、ムーンルーフを利用して、換気扇を取付けることにしました。
排気ファンを大きくする
ファンの力が弱いのだが。
前回、ハイエースに取り付けたのはPC用の12cmファンでした。
高性能といっても、所詮は小さなパソコンを冷やすためのものですので、圧倒的に風量が足りません。
ですから、今回は大きめの換気扇を使います。
とはいえ、車用の換気扇はありませんので、市販品で代用します。
使ったのはこれ。
キャンパー御用達、LOGOSの扇風機。
ファン部分だけで直径20cm以上あります。
この製品は乾電池8個で動きますので、ファンの電圧はPC用と同じ12Vです。
ですから、9Vのソーラーパネルでも十分動作します。
PC用のファンと比べてみましたが、ファン自体の直径が2倍ぐらいありますので、風量は全く違います。
これは、かなり期待出来そう。
完成予定図
計画としては、
アルミ角パイプ2本でムーンルーフ開口を橋渡し
中心に扇風機
左右にソーラーパネルを配置します。
【図面】
ソーラーパネルは9Vの製品を使用しましたが、電流不足を補うため2枚配置としました。
あくまでも完成のイメージです。
作成する際は現物を計測のうえ、図面を引いてください。
各部材の切り出しと組み立て
図面が出来上がったら、各部材の切り出しと組み立てです。
まずは、ソーラーパネルをアルミLアングルへ固定します。
アングルや角パイプに、アルミを使うのは軽くするのためです。
設置時に、排気ファンを取付けベースごと持ち上げますのでなるべく軽い方が良いです。
アルミLアングルは下穴を開けたうえで、軽鉄ビスで固定してください。
ソーラーパネルのフレーム形状により、側面または下面からの固定となります。
ビスが打てない場合は、強力両面テープでもいいと思います。
アルミLアングルは、ソーラーパネルの両側に取付けてください。
次にLアングルをアルミ角パイプに固定します。
固定は軽鉄ビスか、ボルトとナットです。
下穴は必ず開けてください。
Lアングルの付いたソーラーパネルは2組ありますので、2組とも同じように固定してください。
取付の際、
角パイプが平行になっているか
間に扇風機が入るか
に注意して作業してください。
アルミ角パイプは見た目以上に重さがあるので、先に大きめの穴を開けて肉抜きしておくと良いです。
強度に問題が無ければ、部材は軽い方が設置する際に楽です。
肉抜きの穴を開ける際は力のかかる側面より、力のかかりにくい上下面にすると良いでしょう。
最後に扇風機とアルミ角パイプを、アルミLアングルで固定します。
ビス固定の際は、下穴を必ず開けてください。
扇風機はプラスチック製のため、プラスチック用ビスまたは木ビスで固定します。
アルミ角パイプへの固定は、軽鉄ビスを使用します。
これで組み立て作業は終了です。
配線
電線はどのように繋ぎますか?
配線はソーラーパネルを並列にしスイッチを取付けます。
ただ、今回はソーラーパネルを2枚にしましたので、ソーラーパネルを並列でつないでください。
スイッチは扇風機に付いているので、それが利用できます。
実際に設置してみる
排気ファンはソーラーパネルと一体になっているので、設置は簡単です。
ムーンルーフを開けて設置し、スイッチを入れるだけです。
設置は取付ベースごと排気ファンを外に出し、ムーンルーフのレール上に置くだけです。
とても簡単。
設置の際、ウインドデフレクターの支柱がアルミ角パイプと干渉しますので、前方のアルミ角パイプは片方だけ短くしてあります。
長さは設置しながら採寸してください。
下から見るとこんな感じ。
実際どのくらい涼しくなるか
どのくらい効果がある?
この排気ファンですが、効果は大です。
炎天下に放置した車でも、モワッとした暑さがありません。
さすがに直射日光の当たっている部分は暑くなっていますが、車内の空気としては外より少し暑い程度です。
ポイントは、ファンの大きさと天井から暑い空気を逃がしているところ。
運転席や助手席の窓を少し開けておくと、より効果が実感できます。
実際に温度は測っていませんが、明らかに違うという事は実感できると思います。
問題点
この排気ファンですが、容易に想像できる問題点も存在します。
まず、車を離れて雨が降ったら悲惨です。
ファンやソーラーパネルも壊れますし、車内も濡れます。
急な雨も多いので注意が必要です。
また、砂埃や虫に対するガードは皆無です。
虫は入ったら出ていく可能性もありますが、砂埃は溜まる一方です。
風の強い日や、砂埃のたつ駐車場では使用しない方が良いでしょう。
あとは、防犯上の問題もあります。
上から侵入するという事は、なかなかありませんが、それでも穴が開いていることには変わりません。
排気ファンを退ければ侵入は可能です。
ただ、これについては、取付ベースを丈夫なワイヤー等で車内に固定することにより、防ぐことが出来ます。
設置に注意が多いです。
作ったり使用する際は、自己責任ということでお願いします。
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