やる気スイッチ
某学習塾のCMにもあるように、人はやる気スイッチを探します。
何か、やらなければならない仕事、勉強、課題・・・何でもいいです。
結論からいうと、そんなものはありません。
そのスイッチが入ると、人が変わったように動き出すなんてあり得ませんから。
結局何かをやり遂げようとすると地味にコツコツが一番だったりします。
バブル世代の大きな勘違い
一部の人たちが未だに「もう一度、日本を経済大国に!」と喧伝しているのを見かけます。
おそらく、バブル時代を経験した名残なのでしょう。
人口も増えて日本経済も右肩上がり。
世界から日本にお金が集まった時期です。
そういう人達がよく語るのが「アイツはやる気がない」「やる気になれば何でもできる」などの精神論です。
おそらく「やる気」で何でも解決すると思っているのでしょう。
得意技は「ユンケル」「創業者の言葉」「飲み会」。
あなたの会社にもいませんか?
大した能力の無いのに、世の中の流れがたまたま良かっただけで美味しい思いをした人たちです。
そういった人達は今の景気は悪いと言います。
当然ですね。
人口減少、少子高齢化、経済規模も縮小。
日本は成熟した社会になりました。
経済的な成長は望めなくなり、子どもの数はどんどん減っていっています。
イケイケのバブル時代に戻れる要素は何一つありません。
「アメとムチ」では続かない
最初に言いました通り「やる気スイッチ」なんてありません。
「さあやるぞ!」ってやる気を起こすのではなく、なんとなく試行錯誤しているうちに上手くいったというパターンが多いかと思います。
「やる気スイッチ」というよりは「やる気サイコロ」みたいなものでしょうか。
コロコロ振っていると、いつのまにかコマが進んでゴールにたどり着いたようなイメージです。
基本的には「今やっていることを地味に気長にやっていく」という表現になります。
アメとムチという言葉があります。
報酬と恐怖心を交互に与えて成長を促そうという考え方です。
ただ、アメとムチは一時的な効果しかないと言われています。
継続しないんですね。
だから、アメもムチも与え続けないといけないのです。
でも、人生は長いので絶対に続きません。
例えば浪人生活している1年間とか、大事なプロジェクトを成功させる数ヵ月間とかなら別でしょうね。
ダラダラ生きることに罪悪感を持たない
少なくとも50代以上や親の世代はバブルや高度経済成長期を経験しています。
ハッキリ言って、これらは世の中の流れであって自分の実力ではないんですね。
ただ、そういった人達は「やる気スイッチ」があると誤解していますので、ダラダラしている人が悪者のように写ってしまいます。
よく考えてみましょう。
経済が成長したのも、生活が便利になったのも、給料が右肩上がりに上がったのも世の中の流れです。
彼らは「やる気」と表現していますが、たまたまその「良い時代」に働いていたというだけなのです。
要は「居場所」が良かったというだけなんですね。
その居場所で、自分が評価されるから「頑張っているように見える」だけで、実はそんなに頑張らなくても会社は成長していたのです。
そういった流れもあって「やる気スイッチ」みたいなものがあるという勘違いをするのでしょうね。
現在でも会社では、やたらと動き回っている人の方が、じっとしている人より仕事をしているように見えてしまいます。
ダラダラしていると「何やっているんだ!」なんて叱責されますね。
でも、時代は変わったのです。
これからは経済とは別の豊かさの方が大事になってきます。
仕事が忙しいことが幸せにつながらないということです。
それに早く気が付きダラダラ生きた方が幸せだと思いますよ。
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