超広角レンズでプラモデルを撮影
最近はスマートフォンのカメラにも超広角レンズが搭載されており、広い画角の写真が簡単に撮影できるようになりました。
そんな中、超広角レンズを使ってプラモデルを撮影する人も多いでしょう。
ただ、注意したいのが広角になればなるほど被写体(プラモデル)に近づく必要があります。
カメラが被写体に近づくと問題になるのが・・・
・最短撮影距離を満たさなくなる
・被写界深度が浅くなる
といった事です。
これらがもたらすのはピントの甘い写真です。
例えば最短撮影距離未満で撮影するといわゆる”後ピン”状態になり、主題のよく分からない写真となります。

また、被写界深度が浅くなってしまうと、プラモデル全体にピントが合っているように見えず、ミニチュア感の激しい写真となります。

こういった症状を改善するにはどうすればいいのか?
解説します。
これら2つの問題の原因は?
超広角レンズを使用した際に起きる
「最短撮影距離を満たさなくなる」
「被写界深度が浅くなる」
という2つの問題。
これを解決するにはどうすればいいでしょうか?
まず「最短撮影距離を満たさなくなる」という問題ですが、解決方法は簡単で被写体(プラモデル)から離れれば良いのです。
ただ、それをしてしまうと超広角レンズ特有の遠近感のある写真の撮影が出来なくなるという欠点があります。
「最短撮影距離未満で撮影したいけど遠近感のある写真も撮影したい」という人は、最短撮影距離の短いレンズを使用するしかありません。
正直、これについては物理的に解決するしかないのです。

次に「被写界深度が浅くなる」という問題については被写界深度が深くなるような操作、対応をすればいいです。
例えば、
・レンズの絞りを絞り込む
・イメージセンサーの小さなデジタルカメラを使う
といったことですね。
スマートフォンのカメラはイメージセンサーが小さいのでデジタル一眼カメラ(フルサイズ、APS-C)より被写界深度が深くなる傾向にあります。
奥までピントが合っているように見えやすいという事ですね。
こういった面でもスマートフォンで撮影するというのは理にかなっているといえます。
スマートフォンのカメラで撮影してもピンボケになる
多くの場合、スマートフォンで撮影するとある程度被写界深度の深い写真が撮影できます。
ですから、プラモデルを撮影してもそれなりに本物っぽく見えるのです。
ただ、スマートフォンのカメラにも最短撮影距離があり、被写体との距離がそれ未満となるとピンボケ写真になります。
超広角レンズで近寄って撮影した際に、手前がボケてしまうようなパターンですね。
こればかりはどうしようもありません。

最短撮影距離の問題ですので被写体(プラモデル)から離れればピンボケは直るのですが、それでは超広角レンズで撮影する意味が無くなってしまいます。
いったいどうすれば?
マクロレンズ+被写界深度合成で解決
最短撮影距離の限界を超える場合にはマクロレンズ+被写界深度合成を使っての解決をお薦めします。
まず最短撮影距離が不足する問題については、近づいて撮影できるレンズを使わないと解決できません。
ですから接写の出来るマクロレンズを使ってください。
例えばこんな製品。
超広角で且つ接写が出来るちょっと特殊なレンズです。
こういったレンズを使う事によって手前がピンボケするという問題は解決できます。
残りは「被写界深度が浅くなる」という問題。
これについては以前紹介した被写界深度合成を使うと良いです。

実際にやってみましょう。
1枚撮り(手前にピント)と8枚被写界深度合成の比較。


使用しているのがデジタル一眼カメラですので被写界深度は浅めです。
ただ、ピント位置が違う写真を被写界深度合成することによって全体的にピントが合っているように見えます。
今回は使用するレンズの関係でデジタル一眼カメラを使用していますが、最短撮影距離が許すのであればスマートフォンのカメラを使っても良いです。
逆にスマートフォンの方が被写界深度が深いため撮影枚数は少なくて済むでしょう。
重要なのは
・最短撮影距離を満たしたレンズを使う事
・被写界深度合成を使用する事
この2点を守るだけでプラモデル写真は大きく変わると思います。
一度お試しください。
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