ストロボ撮影の基本
カメラはレンズから入った光がフィルムやイメージセンサーに写ることによって写真となります。
ですから、光がないところでは何も写らないんですね。
ストロボ撮影は主に周りが暗い場面で、強制的にストロボという機材を発光させ、被写体に反射したした光をカメラが捉えます。

図でいうと黄色の部分がストロボ光で、オレンジ色の矢印が反射光です。
物は光を反射して初めて写ります。
ですから100%光を吸収するような素材であればストロボを焚いても写りません。
光を反射しにくいといえる黒色の被写体においても、若干の反射があり、それをカメラが捉えているにすぎないのです。
ストロボ撮影で失敗する理由
デコトラ撮影に限らず夜景や室内の撮影において、ストロボ光が予想以上に反射し写真をダメにしてしまうことがあります。
例えば、
・ステンレスやメッキのように反射しやすいもの
・カメラに対して垂直に立つ平面
・カメラとの距離が異常に近い
このような場合はストロボ光により失敗しやすいといえます。
例えばこんな場合ですね。

真横からのナイトシーン撮影。
背景も、電飾も露出は問題ないのですが箱絵の真ん中に、ストロボ光(赤丸)が写り込んでしまいました。
これは、カメラに対して箱が垂直に立つ平面となっているため起こるものです。
この部分だけ白トビしているんですね。
白トビしてしまうと、通常の写真アプリケーションでは補正できません。
「じゃあ、ストロボなしにすればいいじゃない!」と思うかもしれませんが、ストロボなしだとこうなってしまいます。

闇夜にマーカーランプが浮かぶ感じですね。
飾りのシャープさは出ませんし、箱絵もほとんど写りません。
このように、ストロボに限らず何らかの補助光は必要だと考えます。
これは真横に限ったことではありません。
デコトラのナイトシーン撮影において、同じように垂直に立つ平面となるのが正面、真後ろになります。
このような構図でストロボを焚くと失敗しやすいです。
こんな時に役立つのが2灯投光
真横や真正面から撮影したいけど、反射光は写したくないという場合に有効なのが2灯投光です。
これはカメラを被写体の真横や正面から構え、ストロボなどの光は斜めから2か所に分けて当てるというものです。
図にするとこんな感じですね。

先ほどと同じく黄色がストロボ光、オレンジ色が反射光です。
発光部分がカメラから離れており、反射光が直接カメラに向かわないため、意図しないストロボ光の反射を防げます。
実際にやってみる
この2灯投光。
どの程度有効か実際にやってみます。
使用したのは先日からテストしているUlanziのVL81。
小型のビデオライトですが、ある程度の光量が確保できることは証明できています。

構図は真横。
VL81は斜め前、斜め後ろからそれぞれ当てます。
まずは投光なしの場合。

ストロボやビデオライト等の補助光が無い場合、写真に写せるのはマーカーランプなど直接発光しているものと、ステンレス部品など他の発光体の光を反射しているものに限ります。
まあ、予想通りというか、こうなってしましますね。
それほど補助光は大事ということです。
次に投光ありの場合。

ビデオライトVL81を2灯(2方向から)当てたものです。
はい、全く別物ですね。
特にボディが白いのでよく反射します。
最初に紹介したようなビデオライト(ストロボ)により白トビもありません。
良好な結果といえます。
他の物でも代用可能
今回はビデオライトを使用しましたがストロボを使用しても良いです。
ただ、目視で確認できるため初心者はビデオライトの方が綺麗に撮影できるかもしれません。
今回は2tサイズのため綺麗に撮影できましたが、4tや10tなど車体が長くなると2灯では対応できなくなります。
VL81の発光距離が実質3m程度ですので、8m近い4tとなると中間にもう1灯必要となるためです。
そこまで長いと、光量が多いストロボの方が有利といえます。
ただ、ストロボは目視で確認できないうえに画角やGNなど数字を扱うことが多くなり上級者向けといえます。
挑戦するなら少し勉強してからの方が良いでしょう。
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