手ブレ補正機能
カメラにおける手ブレ補正機能とは、文字通り手ブレを補正してくれる機能です。
あくまで補正ですので完全に防いでくれるわけではありません。
カメラやレンズにおける手ブレ補正機能の仕組みは、内蔵されたジャイロセンサーがブレを検知し、それに対応するようにレンズやイメージセンサーを動かします。

非常に高度な技術ですが撮影側はそれほど意識することは無いでしょう。
「ブレずにうまく撮れたね~」という程度だと思います。
しかし、手ブレの限界を知ることで撮影の幅が大きく広がります。
特にデコトラのナイトシーンでは大きな力を発揮するでしょう。
そのあたりのコツについて解説します。
そもそも手ブレとは?
手ブレについておさらいしておきます。
状況は様々だと思いますが、カメラの構え方や体勢、シャッタボタンを押す指の力等によって、カメラは大なり小なり動きます。
その動きが小さければ手ブレの目立たない写真となり、大きければ手ブレ写真となります。
その際に重要になるのがシャッター速度。
一般的に、
1/レンズの焦点距離
より速いシャッター速度ですとブレる確率は下がります。
そのあたりは以下の記事もご確認ください。

50mmレンズなら1/50秒より速いシャッター速度、200mmレンズなら1/200秒より速いシャッター速度にする必要があります。
APS-Cの場合はその1.5倍必要です。
手ブレ補正機能で変わる事
手ブレ補正機能が動作することによって、本来手ブレを起こすシャッター速度でシャッタが切れます。
50mmレンズなら1/50秒までが限界だったシャッター速度を、1/25秒や1/10秒まで落とせたりします。
ナイトシーン撮影において、これは非常に大きなことです。
例えば15mmレンズを使用してナイトシーンを撮影しようとすると、1/15秒までしかシャッター速度は落とせません。
ですからこのような写真になります。

注視していただきたいのは箱のマーカーランプです。
4回路のリレーを使っているため、マーカーランプは4つのうち1つしか光っていません。
なんだか物足りませんね。
まあ、個人の感想なので、これでも良いという人はこれで良いと思います。
好みですので。
では、マーカーランプが写りきるまでシャッター速度を落とすとどうなるでしょうか?
やってみましょう。

想像通り手ブレを起こしました。
シャッター速度は1/3秒です。
オマケにマーカーランプも全部写りきっていないという酷い有様ですが、このあたりはタイミングもあると思いますので、リレーの様子をじっくり確認すると良いでしょう。
ここで手振れ補正をONにするとどうなるか?
シャッター速度1/3秒でやってみます。


あ、指先が写ってしまいましたね。
そのあたりは置いておいて・・・。
左が全体、右が原寸拡大です。
手ブレはほとんど目立ちません。
カメラやレンズによって補正効果は変わる
今回は15mmレンズで1/3秒という組み合わせでした。
使用したのはニコンZ6+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。
Z6のカタログスペック上は5段階の手振れ補正ですので、1秒まで落とせるはずなのですが、実際は不可能でした。
カタログはあくまでも一定の条件下での数字ですので、全てがその条件に当てはまるとは限りません。
カメラのボディとレンズの組み合わせは無限にありますので、実際に装着してどの程度までシャッター速度を落とせるかはやってみないと分からないのです。
参考までにこの組み合わせで焦点距離24mmの場合でも1/3秒が限界でした。
もういったものは一つの目安として頭に入れておくと良いと思います。
ナイトシーン撮影における手ブレ補正の有効的な活用方法
手ブレ補正の効果については検証できました。
では、左右の写真どちらが良いですか?


あの・・・指が写り込んでいることは無視してくださいね。
好き嫌いの世界なので、どちらでもかまわないと思います。
重要なのは手ブレ補正という技術を理解することによって、撮影できる写真の選択肢が増えるということです。
ここがとても重要で、手ブレ補正は手ブレを防いでくれるだけの機能と考えてはいけないのです。
手ブレ補正によって1/3秒などのスローシャッターが切れる
シャッター速度を遅くできる分、絞り込める
シャッター速度を遅くできる分、ISO感度を下げられる
三脚から解放されるので、三脚の入らない位置や地面スレスレなど、構図の選択肢が増える
今回はスローシャッターを実践しましたが、それ以外にも色々ありますので柔軟な発想で挑戦してみてください。
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