車と星空、天の川を同時に撮影する裏技

撮影術

愛車を星空と一緒に写したいのですがどうやったら写りますか?

星空の風景写真

特定の天体を撮りたいのであれば、星空だけの写真も良いのですが、やはり風景と一緒に撮影する星空写真は格別です。

ただ、風景によっては撮影が困難なものもあります。

 

特に街灯や民家など光を発しているものが入ると、露出オーバーになりやすいです。

そういった場合、ハーフNDフィルター等を用いて減光するのですが、星空だけの撮影に比べて露出の難易度は格段に上がります。

 

特に光源が近い場合は致命的です。

星に比べて強すぎる光は、ゴーストフレアなど写真の仕上がりに大きな弊害を生むのです。

 

 

問題は適正露出の差

この問題の根幹は適正露出の差にあります。

 

例えば、前回撮影した天の川を例に取りましょう。

天の川の露出は、

 シャッター速度 10秒

 f値 2.8

 ISO 1600

となっています。

 

では、夜に街灯を入れた風景を撮影しようとすると、露出はどのくらい必要でしょうか?

これは、風景によって違いますが、

シャッター速度 1/2秒

f値 2.8

ISO 100

ぐらいだと思います。

 

分かりやすいようにISOの値を合わせてみましょう。

仮に街灯撮影のISOを1600にしたとします。 

ISO100→1600

シャッター速度1/2秒→1/30秒

このようになります。

 

この状態でシャッター速度を比較しましょう。

 星空 10秒

 街灯 1/30秒

実に8.5段階分の明るさの差が出ます。

これだけ差が出てしまえば、露出を合わせるのは困難だといえます。

  

車は街灯に近い被写体

車は街灯に近い被写体といえます。

 

全く電気関係を点けない状態で構図に入れても良いのですが、夜ですので電気を点けた方が写り映えします。

ただ、ヘッドライトにしろテールライトにしろ、星に比べて圧倒的に明るいです。

 

車も街灯と同じように適正露出の差という問題が出てきます。

車を星空の露出で撮影するとこのようになります。

<完全に露出オーバー。空気中のダストで星も写らない>

 

また、星のピントがほぼ近くにあるのに対し、車の位置は遠くて10m程度です。

被写界深度が浅い撮影を行っている以上、この差がピンボケを生むのです。

 

遠くにある暗すぎる星と、近くにある明るすぎる車は、同時撮影に無理があるといえます。

 



この問題を解決する唯一の方法

この問題を解決する唯一の方法は多重露出です。

 

確かにハーフNDフィルター等を用いて減光するという手もありますが、被写体や構図が限定されます。

ですから、この方法が根本的な解決になるかというと疑問が残ります。

 

多重露出の場合は、別々に撮影した写真をカメラの中で明合成しますので、構図にとらわれません。

ただ、操作が煩雑になるので慣れが必要です。

特に真っ暗な中、手探りで操作するのは慣れても時間がかかるものです。

 

では、実際の操作方法を記しましょう。

カメラは三脚にしっかり固定し、多重撮影の間に動かないように気を付けてください。

 

操作1:星空の撮影

まずはカメラの設定で、多重撮影(2枚)としてください。

1枚目で星空を撮影します。

 

カメラの露出設定は、

 ISO感度 1600

 シャッター速度 10秒

 絞りの値 f2.8

です。

これは仮の値ですので、環境によって調整してください。

車の電灯関係(光る物)は全て切っておきます。

 

ピント操作方法をマニュアルフォーカスにして、星にピントを合わせ1枚目を撮影します。

<1枚目で撮影されるもののイメージ>

 

操作2:車の撮影

2枚目で車を撮影します。

星に比べると車は明るめの被写体ですので出来る限り低感度で撮影します。

 

カメラの露出設定は、

 ISO感度 100

 シャッター速度 2秒

 絞りの値 f5.6

として下さい。

また、この時点で車のライト点灯させてください。

 

ピント操作方法をオートフォーカスにし、フォーカスポイントを車に合わせて、2枚目を撮影します。

<2枚目で撮影されるもののイメージ>

なお、補助光として自動で発光量を調整してくれるタイプのクリップオンストロボがあると良いでしょう。

車の輪郭が出やすいです。

 

多重撮影を2枚で設定しましたので、2枚目を撮影し終わると自動で明合成された写真が生成されます。

星の写り具合、車の写り具合を液晶画面で確認して、バランスがおかしいようなら露出を変更して再度撮影です。

<2枚が合成された写真が生成される>

 

注意点は、カメラによって自動で多重撮影を中止する機能があるという事です。

「電源を入れ1枚目を撮影したまま、しばらく放置すると撮影が強制終了してしまう」

というものです。

 

詳細は手持ちのカメラの説明書で確認してください。  

 

 

あの~。

手順は分かったんだけど、とてつもなく手間がかかる・・・。                 

 

多重露出の裏技

多重露出は手間がかかるうえに、途中で操作を間違えるとイチからやり直しという理不尽なものです。

ですから、ここで裏技を紹介します。

 

以前、画像合成アプリケーションとして紹介した、SiriusCompで明合成してしまうというものです。

「超簡単」SiriusCompでデコトラの合成写真を作成「アイディア次第で応用が可能です」
SiriusCompは星空の合成を行うために開発されたソフトです。 明合成という多重撮影にも似た処理をソフト上で行えるためとても便利です。 ではこのソフトを使ってデコトラの合成写真を作成してみるとどうなるか。 明るい部分が重なって面白い写真が出来上がるのです。

 

これなら現地で多重露出する必要がありませんし、星と車をそれぞれ撮影するだけですので、暗闇のなか何度もカメラの設定を変更する必要もありません。

自宅に帰ってから、パソコンの大きな画面で良いもの同士を明合成することも可能です。

 

やり方はとても単純。

まずは星空写真と車の写真をそれぞれ適正露出で撮影します。

<星空の写真:車のライトは切ること>
<車の写真:車のライトは点け、ストロボ撮影する>

そして、出来上がった2枚の写真をSiriusComp明合成すればいいだけ。

こちらの方が簡単です。

 

また、現像した後のものを明合成することも出来ますので、表現方法は限りなく広がるのです。

注意点としては星と車、全く同じ構図で撮影するという事です。

構図が違うと上手く合成できませんので、その点にご注意ください。

<星空のみ現像後、SiriusCompで車を明合成した例>

 

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