ヒートショック
気温の急激な変化によって血圧が上下し、心臓や血管に疾患が起きることをヒートショックといいます。
血圧が乱高下することにより、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞など、命に係わる病気が起こります。
厚生労働省の推計データでは年間19,000人が、ヒートショックが原因で亡くなっていると予測しています。
交通事故より多いですね。

ヒートショックが起こりやすいのは11月~4月で、暖かいリビングから寒い脱衣室や浴室に入る時に起こりやすいと言われています。
ですから、ヒートショックによる死亡者もその時期に多くなる傾向があります。
風呂に入る時には急激に気温が上がり、出る時は急激に下がります。
ヒートショック対策としては、気温の急激な変化を防止するのが効果的と言われています。
脱衣室にも暖房器具を
ヒートショック対策として、浴室に暖房機を取り付けるのが良いというのは、世間的に周知されてきていると感じます。
実際、住宅設計をしていた頃は7割近い物件に浴室暖房機が付いていました。

しかし、洗面室や脱衣室など脱衣する部屋に暖房機が付いている物件は稀です。
気温の低い脱衣室から暖房の効いた浴室に入り、40℃前後のお湯に入る。
40℃前後の湯船から出た後、気温の低い脱衣室に行く。
これらの動きはヒートショックを生み出しやすい状況にあると言えます。
ですから、特に寒い時期は脱衣する部屋にも暖房機が必要と考えます。
脱衣室に暖房器具を付けるには
一般的に脱衣室には暖房器具を設置するのが難しいとされています。
その理由として、
・洗面室と一体になっていることが多く狭い
・衣類やタオルなど燃えやすいものが多い
・閉め切るので解放式の暖房器具を使うと一酸化炭素中毒になりやすい
こういったことが挙げられます。
全てを考慮して脱衣室の暖房器具を探してみました。
高須産業SDG-1200GS
色々調べつくしてたどり着いたのが高須産業のSDG-1200GSという涼風暖房機。
利点としては、
・壁付け式のため高い位置に設置できる(衣服に燃え移る心配が少ない)
・壁に下地があれば取り付けも簡単で、落下の危険性も少ない
・電気式なので100Vコンセントがあれば動く
・温度センサーが付いているので自動的にヒーターが切れる
・本体は高い位置につけても、リモコン式なので操作が楽
・夏には扇風機がわりになる
欠点もあります。
・市販の据置式より機器が割高
・電気式なのでランニングコストが高い
しかし、安全や健康のことを考えると高い投資ではないと考えます。
ではSDG-1200GSの能力について検証してみましょう。
高須産業SDG-1200GSの暖房能力
自宅の脱衣室は、洗面室と一体となっており多くのものがあります。
室内容積は3.84㎥ですので若干狭い目です。
脱衣室の気温が4.5℃の状態から強運転で動かします。
この製品はグラファイトヒーターが2本付いており、1本あたり600W消費します。
強運転が1200W、弱運転が600Wといった感じですね。
風量も2段階に調整可能です。
実際に強運転した場合の温度変化が以下のグラフです。

運転開始から54分後、室内温度が22.8℃になったところで温度センサーが働き、弱運転となりました。
時間と温度の関係は、運転前の室内温度や、室内容積、家の断熱性能で変わってくると思います。
最低気温の平均が15℃を上回る月には、ヒートショックでの死亡が減る傾向にあります。
例の場合なら、SDG-1200GSを20分ほど動かすと室内温度が15℃を超えてきますので、風呂に入る20分ぐらい前に動かして脱衣室を閉め切ると、風呂に入る頃にはある程度暖かくなっているでしょう。
あくまでもヒートショックを起しにくい程度の暖かさなので、実際に室内温度15℃の脱衣室で衣服を脱ぐと寒いです。
当たり前ですね。
その点は誤解のないように。
入浴中はつけっぱなしにして、脱衣室を温めておくと良いです。
風呂上がりの気温差を少しでも和らげることが出来ますからね。
浴室用モデルもあります
高須産業の涼風暖房機には浴室用モデルもあります。
現在、浴室に暖房器具が無い方は取り付けすることをお勧めします。
ただ、こちらはコンセント式ではなく電気工事が必要な製品ですので、取り付けは電気工事業者に依頼してください。
また、風が出ますので入浴中に動作させると、かえって体を冷やすことになります。
使い方は、浴室に入る前に室内を温めておいて、入る時は切るという形になります。
このあたりは、脱衣室用とちょっと使い方が違いますね。
安全・安心を買う
高須産業の涼風暖房機は正直高いです。
空間が許すなら据置式のヒーターの方がコスパは良いです。
しかし、狭くて燃えやすい物が多い脱衣室に、据置式のヒーターを置くことは危険だと感じます。
衣服を脱いだり着たりする際に火傷をする危険性もありますからね。
ですから、この製品は安全・安心を買うと思ってください。
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