シャッター速度優先(S)
デジタル一眼カメラには、大きく分けて4つの露出モードがあります。
以前紹介したP、S、A、Mですね。

P(プログラムオート)で撮影しておけば、とりあえず問題ないように考えてしまいますが、S(シャッター速度優先)で撮影した方が良い状況というものも存在します。
シャッター速度優先とはシャッター速度を手動で設定し、絞りはカメラ任せにするというものです。
では、具体的にはどういった状況なのかを紹介します。
動きを止めたい場合
プログラムオートに設定すると、シャッター速度が極端に速くなることは少ないです。
もし、このまま高速で飛ぶ航空機を撮影すると、シャッター速度が遅くてブレてしまいます。
そんな時はシャッター速度優先にして、シャッター速度を速めてあげると、ブレにくくなります。

例の場合ですと、レンズの焦点距離が500mmですので、静止物なら1/500秒以上で撮影すればブレません。
しかし、被写体が高速で動いているため、シャッター速度を1/500秒より速くする必要があります。
これはプログラムオートでは対応できません。
シャッター速度優先にしてシャッター速度を設定する必要があるのです。
動きを表現したい場合
シャッター速度優先とは、文字通りシャッター速度を固定して、のこり(絞り、ISO感度)はカメラ任せにするという設定です。
ですから、時間を切り取って動きを表現したい時に有効です。

例えばこのような場合です。
航空機のプロペラが回転しているのですが、シャッター速度を遅めに設定しているのでブレて写っています。
この構図でシャッター速度をもっと遅くすれば、プロペラはブレて消えますし、シャッター速度を速くすれば、プロペラは止まって見えます。
シャッター速度をどの程度の速さにするかは表現次第となります。
思い切ったスローシャッター
動きを表現したいものの延長で、滝や川の流れのように思い切った動きの表現も面白いです。

もちろん三脚は必須となりますが、普段目に写る光景と全く違うものが写ります。
また、日中など露出が多い状況の場合は、NDフィルターなどで光の量を減らす必要もあります。
濃い目のスモーク下敷きや、車のスモークフィルムでも多代用できたりしますので一度お試しください。
流し撮り
流し撮りは被写体を止めて背景を流すという撮影方法になります。
ですから、シャッター速度の微調整は必須です。
もちろんプログラムオートですとそういった設定はできません。

例の場合、焦点距離が300mmのレンズを使い、シャッター速度優先でシャッター速度を1/60秒に設定しています。
この設定は、被写体の移動速度や距離によって変わってきますので、実際に撮影して調整が必要になるということです。
とりあえず、1/レンズの焦点距離から少しずつ落としていく(遅い側へ設定)と良いかも知れません。
ISO-AUTOと併用が吉
シャッター速度優先は、シャッター速度を固定して絞りを変動させるというものです。
絞りの値は、レンズの仕様によって変わりますが、開放値(明るさ)には限界があります。
特に望遠レンズを使って高速でシャッターを切る場合や、朝夕や雨天時、室内など光が弱い場合は露出が不足します。

こういった時は、シャッター速度優先と同時にISO-AUTOも設定しておくと、露出不足になる可能性が減ります。
これは、セットで覚えておくと良いでしょう。
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