プラモデルと実物を同時に写す
模型やプラモデルを作ったらやってみたいのが、実物と並べての撮影。
プラモデルを手前に置き、奥の実物と一緒に撮影するというものです。
ところが、どう頑張ってもプラモデルと実物、どちらかがピンボケになります。
なぜでしょう?

ピンボケになる理由は以下の2点。
・プラモデルに近づいて撮る為
・プラモデルと実物が離れている為
プラモデルは小さいので近づいて撮影します。
また、実物はサイズの関係でプラモデルと離れた位置になります。
で、撮れるのがこんな感じの写真。

じゃあってことで、背景のトラックにピントを合わせるとこんな感じ。

はい、ピントを調節してもどっちつかずになってしまいます。
ポイントは被写界深度
以前お話ししましたが、写真の上でピントが合っているのは1平面のみです。
ただ、実際に撮影すると多くの面にピントが合っているように見えるというのは、被写界深度のおかげです。

被写界深度は浅い、深いで表現します。
被写界深度が浅ければ背景はしっかりボケて見えますし、被写界深度が深ければ背景までピントが合っているように見えます。
ですから、模型とトラック両方にピントが合っているように見せる為には、被写界深度を深くする必要があるのです。
被写界深度を深くする方法
被写界深度を深くする方法として以下の4つがあります。
【1】広角レンズを使う
【2】絞りを絞る
【3】被写体から離れる
【4】イメージセンサーの小さなカメラを使う
今回はスマホで撮影しました。
ですから【1】と【4】は条件クリアしています。
【2】に関してはスマホのカメラに絞り機構そのものが無いので調節が出来ません。
【3】は構図が変わってしまうので論外。
ということで、現地でできることは全てやったということになります。
頼りになるのは被写界深度合成
こんな時に頼りになるのが被写界深度合成です。
被写界深度合成は、ピントの位置が違う複数の写真を合成して1枚の被写界深度が深い写真を作る技術です。
これはスマホでも撮影可能です。

準備するのは模型にピントが合った写真と、トラックにピントが合った写真。
出来れば、その中間位置にピントがある写真も欲しいです。
デジタル一眼カメラですと、イメージセンサーが大きく被写界深度が浅いので、もっと多くの写真が必要です。
ただ、スマホはイメージセンサーが小さく被写界深度が深いので数枚で可能な事が多いです。
【実際に作成してみる】
今回用意した写真は先ほどの2枚。


使ったアプリケーションは、以前からお世話になっているCombineZPです。
使用方法は以前の記事をご確認ください。

ということで、説明をすっ飛ばして出来上がった写真がコチラ。

全体的にピントが合っているでしょ。
選択肢を増やすことの重要性
今回は模型とトラックを被写界深度合成し、どちらにもピントが合っているように見える写真を作成しました。
ただ、これは正解ではありません。
トラックをボカしたい場合もありますし、模型をボカしたい場合もあります。
重要なのは「選択肢」としてこういった技術も知っておくということです。
とにかく「選択肢」を増やしましょう。
ボカすことも出来るし、合わせることも出来る。
出来ることが分かっていれば、表現の幅も広がるのです。
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