楽天モバイル
楽天モバイルは楽天グループの一部で、携帯電話の移動体通信サービスを提供しています。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く、いわゆる「第4のキャリア」とされています。
後発であり現在も設備投資中であるため、繋がりにくい地域があったり、通信速度が遅いという評価もありますが、コストメリットがあるため使用している人も多いです。
ただ、楽天モバイル単体の経営は赤字続きで、2021年12月期連結決算では携帯事業の営業赤字が4211億円となっており、楽天グループ全体の経営に影響を及ぼしているのも事実です。
楽天モバイルのシェア
MMD研究所が18歳~69歳の男女40,000人のうち、通信契約をしているスマートフォンを現在利用している36,006人を対象に調査を行ったところ、各キャリアのシェアは以下の割合になりました。

【グループ別シェア比較】
グループ名 | メイン利用のシェア | サブ利用のシェア |
---|---|---|
docomoグループ | 35.2% | 29.4% |
KDDIグループ | 26.2% | 19.2% |
ソフトバンクグループ | 21.5% | 17.0% |
楽天モバイル | 7.8% | 19.0% |
その他MVNO | 9.3% | 15.3% |
サブ利用はn値がメインの1/10となるので純粋に比較できませんが、全体的な傾向としてメイン利用の通信サービスには「信頼」を、サブ利用の通信サービスには「価格」を求めているのが見て取れます。
現状でも楽天モバイルのシェアは決して高いとは言えません。
0円プランで逃げる客層
楽天の三木谷社長は5月13日の決算発表会で、同日に発表した楽天モバイルの0円プラン廃止について「0円でずっと使われても困っちゃう」と漏らましたが、経営者の立場からするとどうしてもそう考えてしまいます。
赤字続きなのに0円でサービスする理由はありません。
0円プランはあくまで客寄せ。
それが分からず契約したユーザーは少ないでしょう。
0円プランが無くなると一定数のユーザーは他社に乗り換えます。
具体的には価格だけで選んでいるユーザーが乗り換えると考えます。
通信の信頼度や繋がりやすさで選ぶユーザーは既に他社で契約していますからね。
楽天モバイルから乗り換えるなら
楽天モバイルを契約している人の多くがRakuten UN-LIMIT VIで契約していると思います。
これが2022年7月1日以降Rakuten UN-LIMIT VIIに自動切換えされ1GBまで0円というプランが無くなります。
新しいプランでは最も安いもので、0~3GBが月額1078円(税込み)となります。
ただ、最大月額3278円は変わらないので、ヘビーユーザーにとってはお得かもしれません。
どちらにしろ、自身のパケット使用量によって乗り換えの選択は考えたほうが良いと思います。
では、乗り換えるとすればどのキャリアのプランが良いのでしょうか?
メイン利用を考慮し「音声通話SIM」で候補を挙げてみます。
povo2.0
povo2.0はKDDIグループであるpovoの格安SIMプランです。
初期手数料0円、基本使用料は0円で、そこにデータ、コンテンツ、通話、サポートをトッピングしていくような形式です。
全くトッピングせず、使用しなければ実質0円でスマートフォンの所持が可能です。
その場合でも、送受信最大128kbpsで通信が可能ですので全く使えないわけではありません。
動画は無理ですがEメールぐらいなら使えるでしょう。
SMS送信には70字までは1通につき3,3円(税込)かかります。

但し、「180日間以上有料トッピングの購入等がない場合、利用停止、契約解除となることがあります」というルールがありますので、定期的に何らかのトッピングが必要になります。
楽天モバイルと比較する場合ですが、例えばデータ使用量3GBで990円(税込み)ですので、楽天モバイルより安くなります。
ただ、トッピングは日数や時間の制限があるので注意が必要です。
必要な時に必要なだけ、サービスをトッピングして使えるというのがpovo2.0最大の特徴です。
例えば「30日で3GBをトッピングしたけど、10日で使い果たしたからもう3GBトッピングしよう」なんて使い方が出来ます。
180日という期限がありますが、180日に一度だけ330円(税込み)のデータプランをトッピングすれば、年間660円(税込み)ほどでスマートフォンの利用が可能となります。
楽天モバイル含め、一般的なキャリアのように月額制ではないため、普段はほとんど使わない人には魅力的といえるでしょう。
音声通話についてはRakutenLinkのような無料通話はありません。
国内通話料金は30秒につき22円(税込)掛かりますので、音声通話を沢山利用する人には向かないといえます。
合理的シンプル290プラン
合理的シンプル290プランは日本通信SIMが提供する格安SIMプランです。
聞いたことがないような会社ですが、docomo回線を使用していますので安心して使えます。
初期手数料は3,300円(SIMカード・eSIMで初期手数料は同じです)
月額基本料は1GBまでなら290円(税込み)です。
1GBを超えるデータ量に関しては1GBあたり220円(税込み)追加されますのでデータ量により毎月請求額が変わります。

月額料金は設定した上限の料金ではなく、実際に使ったデータ量に基づいた料金となります。
例えば、上限を10GBに設定していても、実際に使ったデータ量が3.5GBの場合、月額基本料は950円(税込み)です。
このプランも音声通話は別途です。
国内通話料金は30秒につき11円(税込み)掛かりますので、音声通話を沢山利用する人には向かないといえます。
ロケットモバイルの各プラン
ロケットモバイルはIoT Consultingが展開しているちょっと変わったMVNOです。
通常は大手キャリア1社から回線を借りてサービスを提供するのですが、この会社はdocomo、KDDI、ソフトバンクから回線が選べるのです。
現在、SIMロックされている端末を使用している場合に使えるかもしれません。
それぞれ価格やサービス内容も微妙に違いますので表でご確認ください。
【docomo回線】

【KDDI回線】

【ソフトバンク回線3GB】

どのプランもデータプランで1GB程度なら楽天モバイルより有利です。
また、神プラン(S)という200kbpsのサービスがあるのが面白いですね。
通話プランで楽天モバイルに対抗できるのはdocomo回線の3GB以下といえます。
まあ、楽天モバイルから乗り換えるかどうか?微妙といえば微妙ですね。
Rakuten UN-LIMIT VIIに対抗できるプランは少ない
大手キャリアの子会社やMVNO各社を比較しましたが、Rakuten UN-LIMIT VIIに対抗できるプランは少ないです。
0~3GBが月額1078円(税込み)というのはライトユーザーにはちょうど良いです。
スマホで動画はほとんど見ない。
SNSやメールは多少する。
ゲームはほとんどしない。
自宅でWifiが使える。
こういった人ですね。
暇つぶしにニュースやSNSを見ているだけでも、月に1GBぐらい消費しますからね。
そもそも月に1GBまでしか使用しない人は、使い方も特殊です。
サブ機で最低限の通信に利用するというような人には、povo2.0や合理的シンプル290プランが良いと思います。
端末代は別途
今回紹介したプランは端末代が別途となっています。
プランによっては希望の端末が使えなかったり、使いたい機能がオプションだったりします。
詳細についてはホームページ上でよく確認してから契約するようにしてください。
個人的にはメイン利用する場合でも、楽天モバイルはそれほど悪くはないと思っています。
これから通信エリアも改善されることが期待されるからです。
最初に携帯電話を契約した時、ソフトバンクの電波は自宅まで届きませんでした。
それが、今ではどこに行っても繋がります。
こういったものは会社が成長し続ける限り改善されていきます。
いきなり切り捨てて後悔するよりは、一呼吸置いた方がいいかもしれません。
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