写真とCGの境界線はどこにあるのか「基準はカメラの限界値?」

撮影術

写真とCG

写真は一般的にレンズによって形成された像を、フィルムやイメージセンサーに投影して画面や紙に写すものです。

昔からある手法ですね。

 

CGはコンピュータを使って描いた画像のことで、「コンピュータ・グラフィックス」の略です。

自身が想像したものを自由に描けるというところがポイントで、実際にはあり得ない世界も表現できたりします。

最近は質感も上がり、写真と見分けがつかないほどになりました。

 

写真は像になる元(被写体)が存在し、CGはそれが無くても描けます。

ですから自身の創造性に任せて描けるという利点があります。

 



写真を簡単に加工できる時代

現在はデジタルカメラ全盛期ですので、撮影した写真をコンピュータの画面上に表示し、簡単に加工できます。

もちろんこのデジタルカメラの中にはスマートフォンのカメラも含まれます。

背景を変更したり、違う写真同士をくっつけたりすることもそれほど難しくはありません。

中には特殊な編集を専門に扱うアプリ(アプリケーション)まで存在します。

 

スマートフォンアプリではその傾向が強いですね。

顔写真の性別入れ替えなんていうのはその最たるものでしょう。

アプリが顔を認識し入れ替えたり変形させたり自由自在です。

難しい加工をタップひとつで簡単に行えるのがポイントですね。

本来動いていないはずの写真を動かして、動画にすることも出来ます。

 

 

曖昧になる写真とCGの境界線

しかしながら、そういた画像編集技術が進歩すればするほど、写真とCGの境界線は曖昧になります。

男性の写真を撮影して、スマートフォンアプリを使って女性化したものは果たして写真といえるのでしょうか?

撮影した車の写真に、別の車のパーツを取り付けたものが写真といえるのでしょうか?

かなり疑問です。

「それはCGだよ」っていう人もいれば「いや写真だ」という人もいます。

線引きが非常に難しくなっているのが現在の状況です。

 

自身が決めている写真とCGの境界線

これはあくまでも個人的な意見です。

写真はフィルムカメラで撮影できる範囲の画像。

CGはそれ以上に加工された画像。

大まかにはこう区分けしています。

 

写真はカメラを使って撮影するものだと思います。

更にフィルムカメラに限定したのは、最近のデジタルカメラには高度な編集機能が付いているからです。

中には現実には無いようなフィルター効果まで施せる機種もありますので、デジタルカメラで撮影したものまで幅を広げてしまうとCGの世界に近くなるからです。

 

例を一つ上げると、多くのデジタルカメラに搭載されたクロスフィルター機能。

これひとつとっても、実際にフィルター枠に装着したクロスフィルターと、デジタルカメラ内で編集したクロスフィルターは味が違います。

デコトラに例えると高輝度LEDと電球マーカーほどの違いですね。

分かりにくいでしょうか・・・。

 

 

アートの新風景は全て写真

カミオンで連載していた時、たまに「CGですか?」と聞かれることがあります。

確かに合成はしていましたので1枚撮りではありません。

ちょっと複雑な撮影になるので、別撮りし明合成をすることもありました。

失敗を少なくするためなら、最新技術はどんどん取り入れていきたいですね。

 

例えば花火とデコトラの写真。

花火とデコトラのナイトシーンは大きく露出が違います。

ですから撮影時間の関係で明合成という手法を利用しました。

しかし、あの写真もフィルムカメラで撮影が可能なのです。

 

あくまであの位置に花火が上がっていることが前提ですが、手順は以下のようになります。

 

【1】花火が上がっていない時にデコトラのナイトシーンを撮影します。

   ↓

【2】花火が上がったら電飾を全て消してもらい、多重露光で花火を撮影します。

 

フィルムカメラな多重露光ではなく「空巻き」という方法を用いるんですけどね。

どちらにしろ時間と環境さえあれば1枚の写真として撮影が可能なのです。

 

でも、考えてみてください。

花火は連続で上がるので1発にターゲットを絞るのは非常に困難です。

そのうえ、デコトラのナイトシーンが写ったコマに、1発の花火を入れるのですからタイミングが全てですね。

チャンスは1回。

そう考えると別撮りというのは理にかなった撮影方法なのです。

 

まあ、写真ばかり撮っている人間のどうしようもないこだわりだと思ってください。

ただ、CGも遊びで作ることがありますね。

新しい撮影のヒントになったりするので面白いです。

可能性を広げる意味では有意義であると考えます。

 



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