
今夜は天体写真を撮りたいと思っているけど、雲はどのぐらい出るのだろう?
何か予測できるツールはない?

星空写真が上手く写せるかは環境が9割
天体写真が上手く写せるかどうかの9割は環境で決まると考えます。
環境として挙げられるものとして場所、高さ、街灯、地面、月、雲があります。
より市街地のから離れた「場所」で撮影すれば街の灯りの影響は受けにくくなります。
撮影場所の標高が「高い」ほど周りの光の影響を受けにくいです。
真っ暗だと考えていても、たまたま「街灯」が近くにあるだけで灯りの影響を受けます。
天体は三脚を使っての撮影が基本ですので「地面」はしっかりした場所である必要があります。
「月」が出ていると星空撮影の邪魔になります。
少しでも「雲」があると写る星の数は減ります。

環境が万全であれば、あとの1割は撮影機材といえます。
近年は高感度性能の向上により、環境さえしっかりしていれば「写す」のはそれほど難しくないと考えます。
環境のうち予測が難しいものは「雲」
環境のうち、最も予測が難しいのが「雲」といえます。
「場所」についてはネット上に多くの情報があり、”星空スポット”と検索するだけで多くの情報が手に入ります。
「高さ」は一般的な地図に掲載されていますし、Googleマップでポイントをクリックするだけでも表示されます。
「街灯」の有無はGoogleストリートビューで確認できますし、現地で光害が発覚しても離れれば影響を減らすことが出来ます。
「地面」は振動する要因から離れればいいだけです。
「月」は「今日のほしぞら」で予測可能です。
しかし「雲」に関してはその時間にならないと分からないことが多いです。
晴天の予報であっても雲が出ることはよくあります。
「先ほどまで晴れていたのに、急に曇が多くなってきた!」
なんてよくあることです。
特に山の上などはその傾向が強いですね。

tenki.jpの星空指数もあくまで地域の指数です。
特定の場所を調べることが出来ません。
「雲の予報」が出来るGPV気象予報
そんな時に便利なのがGPV気象予報。
GPV気象予報は、気象に関する様々なデータを予報するツールです。
ネット環境さえあればパソコンでもスマホでも閲覧は可能です。
例えば2022年5月25日21時の雲量や雨量の予報はこのようになります。

地図上で紫色に塗られている場所が雨予報の地域です。
表示される色は予報される雨量によって紫から赤まで変わります。
地図上で白く見えるのが雲です。
これは白くなればなるほど雲量が多くなり、星空を望むのが難しくなります。
満天の星空を期待するなら、雲量が全く無い真っ黒な状態が良いといえます。
GPV気象予報の使い方
GPV気象予報は多くの機能を備えています。
この中で天体写真の撮影に使えるのは「雨量・雲量」です。
実際にどのように使うのか見てみましょう。

まずはGPV気象予報のホームページへ。
各メニューを選択するだけです。
モデルの選択
モデルは「詳細」と「広域」があります。
「広域」ですと264時間後までの予報が出ますが、予報精度が低く縮尺が小さいので「詳細」の方が良いです。
「詳細」でも39時間後までの予報が出ますので、今晩の予報や出かける前に見るならこれで十分なのです。
エリアの選択
「エリア」は行き先の地域を選択してください。
雨量・雲量
「モデル」と「エリア」を選択したのち、「雨量・雲量」をクリック(またはタップ)します。
これで、現時刻の雨量と雲量が地図に加筆表示されます。
予報時刻
雨雲天気図の上部、予報時刻右にあるスライドバーで「予報時刻」の変更が出来ます。
右へ進めると時刻が進み、左へ進めると時刻が戻ります。
また、スライドバー右の時刻プルダウンメニューでも選択できます。
雲の予測は必須なので
星空を撮影する場合、雲の予測は必須です。
GPV気象予報は雲の予報を可視化できる数少ないツールのひとつです。
正直、Yahoo等の雨雲レーダーと比較すると、表示自体は大雑把です。
しかし、多くの天気予報が雨雲だけを予報しているのに対し、このツールは雲量を予報してくれます。
これは、情報として貴重です。
雲は天体観測の大敵。
貴重な情報を有効活用し、雲に邪魔されない天体撮影を楽しみましょう。
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