トラックイベントでの騒音問題
全国で定期的に行われているトラックイベント。
そのトラックイベントでは”騒音”が一つの問題となってます。
イベントで大きな音を出すことにより、近隣クレーム、警察への通報、行く先は会場拒否という結果に結びつきます。

こういった問題は昔から一定数あるのですが、最近は特に多いと感じます。
それはいったいなぜでしょうか?
音の発生源は?
音の発生源としては、以下のようなものがあります。
・マフラーの音
・拡声器から発生する音(街宣)
・警笛(ラッパコール)
マフラーに関しては空ぶかし等を行わなければそれほど大きな音ではありません。
あと、拡声器から発生する音(街宣)や警笛(ラッパコール)に関しては運転手や同乗者が意図的に鳴らさなければ音は出ないはずです。
しかし、騒音問題に発展しているという事は、こういった物から音が発生しているという事です。
では、なぜ音が発生するのでしょうか?
トラック業界にあるラッパコールという習慣
本来、車両の警笛は鳴らす場面、鳴らしてはいけない場面が決まっています。
第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
(罰則 第一項については第百二十条第一項第六号、同条第三項 第二項については第百十七条の二第一項第四号、第百十七条の二の二第一項第八号ト、第百二十一条第一項第七号)
<警察庁HPより引用>
では、トラックイベントで鳴らす必要性があるかというと、そういった場面はほぼありません。
ここでポイントとなるのは、ラッパコールという言葉。
トラック業界の習慣としてのラッパコールがあります。
トラック同士または、トラック対人の”挨拶”のようなものですね。
このラッパコールがトラックイベントで行われるため騒音問題は発生します。
街宣は自宅から行う?
車両に取り付けられた拡声器を通じて音楽等を大きな音で流す行為を”街宣”と呼びます。
トラックイベントにおいても”街宣”による騒音問題が発生します。
その多くが会場付近の道路で行われます。
入場時や退場時に音を出すという事ですね。

では、こういった”街宣”で音を出す人達が自宅から大きな音を出して来るかというと、そういった割合は少ないと思います。
多くの場合はイベント会場付近に差し掛かったら拡声器等の電源を入れて音を出すのです。
なぜ?
原因は内にあって真因は外にある
これら騒音問題に発展する2つの原因は、全て内側(トラックの運転手側)にあります。
しかし、よくよく考えてみるとそういった行為は、全て外側(見学者側)に向かって行われています。
見学者が居る(要求する)ことによってラッパコールが発生し、見学者が居る(撮影する)ことによって街宣が行われます。
ですから、見学者が多く溜まるイベント会場付近の道路では騒音問題が発生しやすいです。
更にイベント会場付近に溜まる見学者がやっている助長行為が「動画撮影」です。
動画の写り映えが良いようにイベント会場の入り口付近に屯し、動画の写り映えが良いようにラッパコールを要求(手振り行為)します。
逆に運転手側が街宣などを行って目立とうとすることもあります。

イベント会場付近の動画撮影。
これが騒音問題の真因です。
ですから道中、誰もいないようなところでは騒音問題は起きづらいのです。
騒音問題が起きなかったイベント
2022年に行われたトラックイベントで、騒音による迷惑行為(ラッパコール、街宣)が一切無かったものがあります。
そのイベントでは、事前告知時に以下のことが明示されていました。
・公道上での撮影禁止(動画、静止画)。
・会場内での動画撮影禁止。

このように明確に告知することは重要です。
事前に分かっていれば動画撮影目的の参加者は居なくなりますし、万が一撮影された場合でも告知することにより「威力業務妨害罪」を成立させられる可能性があります。
撮ることによって損害が出ればその損害額を請求するという事です。
トラック側への注意は限界に来ている
30年前のイベント告知には騒音問題に関する内容はほとんどありませんでした。
しかし、現在のイベント告知には、必ずといっていいほど「空ぶかし」「街宣」「ラッパコール」等の文字が並びます。

にもかかわらず、騒音問題によって会場拒否となる事案は発生します。
それは、注意の先がトラック運転手のみに向いているからです。
残念ながら全てのトラック運転手に騒音問題を認識してもらうのは限界があります。
人数も多いですし、毎回入れ替わるからです。
ただ「こういう現実があるからトラックから騒音が出るのは仕方がない」と言うわけではありません。
騒音発生の真因となる部分にも目を向けようという事です。
原因はトラックにあり、真因は動画撮影者にある。
ということで、今後はトラック側、見学者側両方に注意喚起していく方が良いと考えます。
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