【 デコトラ+星景写真 】 トラックのナイトシーンと天の川を同時に撮影する方法 -明るさの違いを補完する小技-

デコトラ関連

星空の風景写真

星を眺めるのは特別な時?

いえ、晴れた夜なら星はいつでも見ることが出来ます。

普段は気にしなくても、ふと見上げるよ星空はそこに。

 

そんな星空ですが、風景と合わせるとより引き立ちます。

良い風景なら撮影して残したくなるもの。

そんな星空の風景写真は撮り方にいくつかの方法があります。

具体的には、

 

その1そのまま撮影

これは星空の露出と風景の露出が合っている場合です。

最も簡単なパターンで1枚撮りで撮影後、現像で調整します。

 

その2ハーフNDフィルター等を使う撮影

これは風景の一部に、明るい部分が存在する場合です。

基本的に1枚撮りでOKですが、ハーフNDの効果を熟知していないと出来ない撮影方法です。

現像での調整は必須となります。

 

その3多重露出で撮影

これは星空と風景の露出が大幅に違う場合です。

風景が明るすぎるというパターンが多いです。

暗闇の中で素早い操作が必要ですのでカメラ操作に慣れていないと上手くいきません。

 

その4明合成アプリケーションを使う

これは多重露出と同じですが、多重露出はカメラ内で行うのに対し、これはパソコン等を使って画像処理を行います。

組み合わせが選べるうえに、現像後の写真を組み合わせることも可能ですので、表現が広がります。

 

これらは風景によって使い分けると良いです。

明合成アプリケーションが万能みたいに見えますが、所詮アプリケーション合成ですので不自然さが出てしまいます。

出来る限り1枚撮りが好ましいと考えます。

 



 

デコトラと一緒に撮ってみる?

星空と合わせるとどんな風景でも幻想的になります。

山、森、建物・・・・。

じゃあ、デコトラは?

思いついたら試してみましょう。

トラックも星と一緒に撮影することは可能です。

ただ、ちょっと露出にコツがいる。

その点に注意すればある程度撮影は可能なのです。

 

星空とデコトラのナイトシーンの露出

星空を背景にデコトラのナイトシーンを撮影しようと考えたとき、まず考えなければいけないのは露出の差です。

これは車を写す時に説明しましたね。

 

天の川の露出は、

 シャッター速度 10秒

 f値 2.8

 ISO 1600

ぐらいです。

これに対し、デコトラのナイトシーンでよく使う露出データは以下のとおりです。

 シャッター速度 2秒

 f値 8

 ISO 100 

では、それぞれ比較して見ましょう。

 

まずはデコトラのナイトシーンのISOを1600にしたとします。

ISO100→1600

シャッター速度2秒→1/8秒

このようになります。

 

次にデコトラのナイトシーンのf値を2.8にしたとします。

f8→f2.8

シャッター速度1/8秒→1/60秒

このようになりました。

 

この状態でシャッター速度を比較しましょう。

 星空 10秒

 デコトラ 1/60秒

9.5段階分の明るさの差が出ます。

これだけ差が出てしまえば、露出を合わせるのは困難ですし、画像アプリケーションでの調整はほぼ不可能です。

ハーフNDフィルターにしても、複雑なデコトラの形状に合わせるのは難しいでしょう。

 

このような場合は多重露出の出番なのです。

 

 

星空とデコトラのナイトシーンを多重露出する

撮影方法が決まりましたので、実際に撮影してみます。

とはいえ、手順は星空と車を同時に撮影する方法と変わりませんので、流れは過去記事もご確認ください。

車と星空、天の川を同時に撮影する裏技
星空が上手く撮影出来たら今度は風景などを入れて撮ってみたいもの。 案外、車を入れて撮りたいという質問が多かったりします。 星空と車。 露出が大きく違うものを1枚の写真に仕上げるには、ちょっとしたテクニック(裏技)が必要なのです。

 

デコトラのナイトシーンの場合、リレーパターンによる撮影の失敗もありますので、SiriusCompの利用をお勧めします。

撮影時は気にならなくても、パソコンの大きな画面で見ると結構気になるものです。

<リレーによりマーカーが消灯している>

 

撮影方法で唯一違うのは、星空を撮影する際にエンジンを切った方が良いという事です。

これは、写真がエンジンの振動を拾ってしまうためで、明合成した際に微妙なノイズとして表現されることがあります。

失敗を極力少なくする意味でも、エンジンは切っておいた方が良いといえます。

 

 

SiriusCompを使ってデコトラを星空を明合成する

では実際にSiriusCompを使ってデコトラの背景に星空を合成してみましょう。

 

手順1星空の撮影

まずは星空のみを撮影。

トラックのエンジンは切るようにしてください。

 

手順2デコトラのナイトシーンを撮影

スローシャッターで撮影します。

ストロボはあった方が良いのですが、向きによっては反射が強くなりますので、2灯焚きやビデオライトで光軸をずらすと良いでしょう。

また、トラックを撮影する時にはソフトフィルターは外しておきます。

 

手順3SiriusCompで明合成

手順1手順2で撮影した写真をSiriusCompで明合成させたら完了。

 

なんだか星の赤も弱いし、霞もかかっているので現像処理してみました。

天の川の赤は出ましたが、霞はあまり取れませんでしたね。

やはり、「星空撮影の成功は9割が環境で決まる」というのが大前提あるというのが分かります。

スマホでもできる、満天の星空を撮影するための重要なポイント
満天の星空を見るとカメラで撮影したくなる人もいるでしょう。 しかし、目で見るのと撮影するのでは勝手が違います。 星空撮影で重要になるのは環境。 環境を満たせば撮影は容易になります。 では、星空撮影に必要な環境とは・・・。

  

 

これで撮れるかな

さて、16回に分けてデコトラの背景に星空を写すまでの工程を説明しましたが、手順どおりやればそれほど難しくはないと思います。

 

ただ、現状で三脚すら持っていない人には金銭的に厳しいでしょう。

また、都会の方に住んでいると、撮影スポットまでの移動距離が問題になります。

 

撮影できる場所を探すのも一苦労あるかもしれません。

山の上は光害の影響を受けにくいのですが、広い場所が少ないためトラックを止めてゆっくり撮影することが出来ません。

 

星空とデコトラの撮影は皆さんにとって異世界かもしれません。

正直、「機会があれば・・・」で撮影できるものではないと思います。

周到に準備しても、天候に嫌われると終わりです。

ですから、綺麗に撮影出来たとき、貴重な一枚となる事は間違いありません。

 



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