露出
写真撮影における露出は明るさを決める需要な要素です。
露出がしっかり合っていると、思った通りの表現が可能です。
露出には段という言葉があります。
これは露出の量を表す単位です。
そんな段について解説しましょう。
段の考え方
段は露出の量を表します。
「段を上げる」「段を下げる」という使い方をします。
今、適正露出(ちょうど良いぐらいの明るさ)の被写体があったとして、「1段上げる」とは露出の量を2倍にすることです。
逆に、「1段下げる」とは露出の量を1/2にすることです。
実際にカメラの操作で考えてみましょう。
露出がシャッター速度1/500秒、絞りf4、ISO100の被写体があったとしましょう。
この時、
シャッター速度を1/250秒にする
絞りをf2.8にする
ISO200にする
これらの動作はそれぞれ露出が2倍になりますので、1段上げることになります。
逆に、
シャッター速度を1/1,000秒にする
絞りをf5.6にする
ISO50にする
これらの動作はそれぞれ露出が1/2になりますので、1段下げることになります。
シャッター速度とISOは2倍、絞りは√2
ここでシャッター速度、ISO感度、絞りの段について見てみましょう。
最上段がそれぞれの項目、各項目1行ごとに露出が1段下がります。
シャッター速度 | ISO感度 | 絞り |
---|---|---|
1/4秒 | ISO12800 | f1.0 |
1/8秒 | ISO6400 | f1.4 |
1/15秒 | ISO3200 | f2 |
1/30秒 | ISO1600 | f2.8 |
1/60秒 | ISO800 | f4 |
1/125秒 | ISO400 | f5.6 |
1/250秒 | ISO200 | f8 |
1/500秒 | ISO100 | f11 |
1/1000秒 | ISO50 | f16 |
シャッター速度とISO感度については、1段階上がると値が2倍になっていますが、絞りに関しては√2の倍数になっています。
これは絞り穴の面積に比例するためで、円(絞り穴)の面積の計算式πr2から導き出せます。
円の面積を2倍にするなら、r(半径)の値を√2倍すればいいということですね。
ということで、一見歪な数値に見えますが、数学的な根拠もあるのです。
露出を1段変えてもそれほど変わらない
露出を1段変えるということは、露出が2倍、または1/2になるということです。
数字だけ見ると大きなことのように思えますが、実際の写真にはそれほど大きな違いは出ません。


比較すると明るさの違いがありますが、2倍明るいかというと、そうは感じないと思います。
露出の量と写真の明るさは比例しますが、数字ほど変化しないというのが実際のところです。

実際に段を操作する
実際に撮影する際は、カメラを操作することになります。
撮影したものが明るすぎると思えば1段下げてみる。
撮影したものが暗すぎると思えば1段上げてみる。
基本は、これだけなのですが多くの方はAE(自動露出)を使って撮影しているかと思います。
AEを使っている場合は、カメラが露出を決めます。
ですから、何もしなければ露出の段を調節することが出来ません。
では、どうするか。
露出補正という機能を使います。
お持ちのカメラに+EVや-EVという項目はありませんか?

これを操作します。
+EVは露出の段を上げる操作。
-EVは露出の段を下げる操作。
こう考えてください。
カメラ任せで撮影してみて明るすぎると思ったならEVを-側に補正します。
逆に暗すぎると感じたならEVと+側に補正するのです。
1/2段階や1/3段階も使う
露出の段階は2の倍数である必要はありません。
その1/2や1/3といった値も使った方が良いです。
例えば、+1/2EVや-1/3EVといったものですね。
シャッター速度でいうと1/80秒や1/3秒なんかがこれに該当します。
AE(自動露出)を使っていればEV(露出補正)の操作だけ意識していれば大抵事足りると考えます。
適正露出の為に段という考えは重要です。
露出の過不足があった際に、それが何段階なのかというのがおおよそ計算できるようになると露出の精度はグッと上がると考えます。
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