露出の「段」
カメラの露出における「段」とは露出の量(写真の明るさの度合い)を表す単位です。
「1段明るくする」とは露出の量を2倍にして写真を明るくすることです。
逆に「1段暗くする」とは、露出の量を1/2にして写真を暗くすることです。
段は整数だけではありません。
「1/2段明るくする」や「1/3段暗くする」など、1段操作すると効果が大きすぎる場合に分数を使います。
露出をカメラ任せで撮影すると、段の事はあまり考えないと思います。
しかし、カメラのAE(自動露出)も万全ではありません。
段を理解し、補正する方法を覚えておいた方が良いと考えます。
AE(自動露出)は万全ではない
最近のカメラやスマホで写真を撮影した時に、周りの明るさに縛られずに写真が写るのはAE(自動露出)のおかげです。
例えば、晴天の日に日向で撮るのと日陰で撮るのでは、露出が10倍ほど違ったりします。
これほど違っても、それなりに写るのは優秀なAEのおかげです。
ただ、AEは万全ではありません。
苦手な被写体も存在します。
よくあるのがこんな被写体。

夕焼けですね。
夕焼けなのに赤さが足りない・・・。
これは露出が多すぎるのです。
こんな時は段を下げて撮影してみましょう。

1段下げてみました。
随分、夕日の赤が出ましたね。
このように、全体の明るさを調整する際に、「何段上げる」「何段下げる」といいます。
実際の操作はEV補正(露出補正)をする
段の使い道は、なんとなく分かったかと思います。
では、実際の撮影でカメラをどのように操作するかを説明します。
多くの人はカメラのAE(自動露出)任せで撮影しているかと思います。
露出モードでいうとP(プログラムオート)、A(絞り優先)、S(シャッター速度優先)などが該当します。
何も操作せずに撮影すると、明るさの調整は出来ません。
暗すぎるので1段上げたり、明るすぎるので0.7段下げて撮影したいと思っても出来ないのです。
そんな時に便利なのがEV補正(露出補正)。
これはカメラによって操作方法は違いますが、AEの搭載されたほとんどのカメラには付いている機能です。

例えばこのような画面ありませんか?
この赤で囲った数値を操作します。
EVや±といった表示なので確認してください。
写真が明るすぎると思ったらEVの値をマイナスにしてください。
暗すぎるならEVの値をプラスにします。
1段上げるならEVの値を+1.0にするといった具合ですね。
どれくらいの値に設定するかは、撮影しながら調整すると良いでしょう。
どちら側に何段補正するか
どういった状況の時にどちら側に何段補正するかは、色々な被写体を撮影していると分かってきます。
例えばこんな感じです。
背景が極端に白い場合は1~2段上げる
背景が極端に黒い場合は1~2段下げる
影をメインに写す場合は1~3段下げる
人物メインの場合は1段上げる
雨や曇りの日は1段上げる
雪の日は1~2段上げる
あくまでもこれは基本です。
どういった明るさで表現したいかは、写真の主題によっても変わってきます。
先ほどの夕日写真を見てみましょう。


露出補正なしと1段階下げたもの。
どちらが良いと思いますか?
個人的にはどちらもアリだと思います。
個人の自由ですから。
重要なのは段を理解して、写真に反映させること。
これがある程度上手になれば、露出の技術は上がると考えます。
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