21世紀の資本とは
書籍「21世紀の資本」とはフランスの経済学者であるトマ・ピケティの著書です。
この本の特徴は膨大なデータをもとに、世界に広がる経済格差とその対策について書かれているというところです。
2013年にフランスで公刊され翌年には英語版、日本語版が発行されました。
日本語版は608ページ、あまりの文字の多さに読む気にもなれないという人も多そうですね。
それにも関わらず13万部近く売れています。
そんな、難しいけど魅力がある「21世紀の資本」の世界を少しだけ紹介しましょう。
r>gの証明
この本の画期的なところは、今までなんとなく感覚で思っていたことを膨大なデータで証明したことです。
そのひとつがこれ
r>g
rは資本収益率でgは経済成長率です。
簡単に言うと、
労働者が一生懸命働いて得られるお金より、
お金持ちが資本を動かして得られるお金の方が多いということです。
このことは今まで多くの人が肌感覚として感じていました。
この感覚の鋭い人が資本に財産を投じ、お金持ちになっていったのです。
しかし、この本でr>gがデータとして証明されたなら、今を生きる私たちはそれを利用しない手はありません。
手段としては、まず余剰資金を作りましょう。
そしてその余剰資金を資本に換えるのです。
この場合の資本とは利潤、配当金、利息、貸出料などのように収入を生み出す資産と思ってください。
具体的には株、投資信託、債券、不動産など、継続的に所得を生み出す資産を買いましょうということです。
富は富裕層に蓄積される
先ほどのr>gは現在加速しているいわれています。
現在、世界の82%の富を、わずか1%の超富裕層が持っていると言われており、この流れもさらに加速します。
主に資産運用によって財産を築いている富裕層は、株や不動産を保有しているだけで、多大な利益を獲得できるのです。
例えば100億円持っていたとしましょう。
それを年利2%の金融商品に預けるだけで、何もしなくても2億円が手に入るのです。
これが資産(r)の持つ力。
一方、労働者の賃金(g)はどれだけ働いてもゆるやかにしか上がりません。
そして賃金を貯蓄に回したところで大きく増えるわけでもないのです。
ということで格差はどんどん広がってしまうのです。
さらに先進国で共通している問題として「少子化」があります。
この少子化が富の蓄積を生んでいるのです。
資産は「相続」という形で子供に受け継がれます。
資産を受け取る子供の数が、資産を渡す年寄の数より少なければ富は子供に集中するのです。
こうして富は富裕層に蓄積されていくのです。
富裕層に課税せよ
著者のトマ・ピケティは富が集中することへの対策として富裕層の資産への課税を提唱しています。
その理由として、
・労働者が働いて得る所得より、富裕層が資本を動かして得る所得の方が多い。
・世界の富の多くが一部の富裕層に集中している。
・富裕層へ富が集中するという流れは止められない。
理由も、解決策も納得のいくものですが、現在の日本ではそうなっていません。
それどころか、逆に労働者から多く税を取るような流れになっています。
それは、大きく声をあげなかった労働者にも責任があります。
選挙に行かない。
白票を投じるとはそういうことです。
ただ、この事実を知ったうえで自分でコントロールできることもあるのです。
富裕層が所得を得ている方法を真似てみるのが良いでしょう。
大きな資金が無ければ少しからでもいいのです。
特に、若い人には多くの時間があります。
時間というのは資産形成には最大の武器になるのです。
騙されたと思って、まずは調べてください。
そして実行すればあなたの人生に余裕が生まれることでしょう。
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